3. 富裕層・超富裕層は増え続けている「3つの理由」とは?

日本における「富裕層(純金融資産1億円以上5億円未満)」と「超富裕層(5億円以上)」の保有資産総額は、2011年の188兆円から2023年には469兆円へと約2.5倍に拡大しています。

とくに2011年以降は、リーマンショックや震災による一時的な下落を経て、世帯数・資産総額ともに右肩上がりの傾向が続いています。この背景には、大きく3つの要因が考えられます。

①株価の長期的な上昇

米国を中心に、S&P500やNASDAQなどの主要指数が成長を続け、株式を多く保有する富裕層の資産が大きく膨らみました。

②非課税制度の拡充

2014年のNISA導入以降、iDeCoの普及や新NISA開始により、早期に運用を始めた人々の資産形成が進みました。

③相続・贈与の増加

高齢化の進行により遺産の承継が本格化し、資産を受け継いで一気に富裕層となるケースも目立ちます。

このように、資産運用の好環境と制度的な後押し、さらには世代間の資産移転といった複合的な要因により、富裕層が着実に増え続けているのです。