3. 「年金月額15万円」60歳で繰上げ受給したら受給額はいくら?

実際に繰上げ受給をすると、いくら年金が減っていくのか計算してみましょう。この記事では、年金月額15万円の人が60歳に繰上げ受給した場合を例に計算していきます。

繰上げ受給は1ヵ月につき0.4%の年金が減額されるため、60歳で繰上げ受給すると、減額割合は24%となります。つまり、本来の76%の年金しか受け取れないのです。

よって、計算結果は以下のようになります。

  • 15万円×76%=11万4000円

本来の受給金額から3万6000円が減額されます。

注意したいのは、この金額からさらに税金や社会保険料が差し引かれる点です。給与と同じように、年金からも税金や社会保険料が差し引かれます。国民健康保険料や介護保険料は自治体によって異なるため一概にはいえませんが、実際に手元に残るのは月におよそ10万円程度になってしまいます。

貯蓄や老後の収入がなく、生活に困りそうな場合は繰上げ受給を検討するとよいです。一方で、受給額が本来の金額からいくら減るのか、減額によって後悔することはないかを、よく確かめておく必要があるでしょう。

次章では、繰上げ受給を利用した上手な老後資産の取り崩し方を解説します。