3.2 繰下げ受給

年金開始を遅らせた場合、1か月ごとに0.7%ずつ年金が増え、最大84%増額することができます。

健康に自信があり、長生きする見込みがある人には、繰下げによる増額は大きなメリットです。ただし、受給を遅らせる間の生活資金を自力でまかなう必要があり、長く働くなどして事前の備えが欠かせません。

繰下げ受給には賛否がありますが、自分の寿命は誰にもわからないので、損か得かでは判断しにくいでしょう。

4. まとめ:平均年金額を知って「自分に合った選択」を

今回の記事では、老齢年金(国民年金・厚生年金)の平均月額について、また、年金の繰上げ・繰下げ受給も紹介しました。

現在の年金受給者が受け取っている年金額を見ると、国民年金は平均約5万7000円、厚生年金でも平均約14万6000円にとどまります。物価上昇の影響もあり、年金だけでゆとりある生活を送るのは難しいと感じる人も多いはずです。

一方で、年金制度には「何歳から受け取るか」を選べる柔軟性があります。繰上げや繰下げによって受給額やライフプランは大きく変わるため、自身の健康状態や資産状況を踏まえて、早めにシミュレーションしておくことが大切です。

「年金がいくらもらえるか」だけでなく、「いつ受け取るのが自分に合っているか」まで考えることが、安心して老後を迎える第一歩になるでしょう。

参考資料