7月は1年の折り返し地点。「あと何年、お金がもつのか不安…」と感じる方もいるのではないでしょうか。
今回は、内閣府「高齢社会白書」やJ-FLECの調査データをもとに、60歳代の収入・支出・金融資産の実態をわかりやすく解説します。また、元マネースクール講師として将来に備える具体的なヒントも紹介します。無理に我慢して生活を切り詰めるのではなく、今ある資産をどう活かすかを一緒に考えてみましょう。
1. 【60歳代】収支のリアルな実態「収入の転換期で生活水準の見直しなど動きあり」
内閣府で2025年6月10日に公表した「令和7年版高齢社会白書」をみていきましょう。
1.1 【収入面】「60歳代は収入の転換期」勤労収入から年金収入へ
60〜69歳の「現在の1か月あたりの収入金額」における収入分布について解説します。
60歳代前半(60〜64歳)の男性では、月収25万円以上の割合が約67.8%にのぼり、多くの人が現役時代と同様の生活水準を維持していると見られます。しかし、60歳代後半(65〜69歳)になるとその割合は約59.9%に下がり、1割程度が年金生活へ移行した影響を受けていると考えられます。
一方で女性は、60歳代前半が約51.1%、後半が約51.0%と、年齢による収入変化はほとんどなく、パートや非正規などで継続的に働く姿がうかがえます。
このことから、60歳代は男女で収入の変化幅に差があり、特に男性は65歳を境に生活の見直しを迫られるケースが多いといえそうです。
次は、支出における生活費について見ていきましょう。