2025年は残り1カ月ほどとなり、来年に向けて家計の状況を再確認している方もいるかもしれません。
老後の生活を支える大切な収入源となる公的年金ですが、厚生労働省年金局が公表したデータによると、厚生年金受給者の平均月額は14万6429円(基礎年金込み)となっています。
しかし、この金額はあくまで平均月額であり、実際には年金の加入期間や現役時代の収入などによって受給額は大きく変動します。
本記事では、年金の受給額が「月20万円以上」の人と「月10万円未満」の人ではどちらが多いのか、公的なデータをもとに比較して解説します。
あわせて、60歳代後半・70歳代前半・75歳以上の家計収支の平均について年代別で紹介しますので、ご自身の老後設計の参考にしてみてはいかがでしょうか。
1. 年代別に見る高齢者の家計収支「60歳代後半・70歳代前半・75歳以上」の実態
65歳以上と一括りにされがちですが、実際には年代によって生活費は変化することがあります。
ここでは、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に、60歳代後半、70歳代前半、75歳以上の3つの区分で、家計の状況を確認していきます。
1.1 年代別の実収入:65~75歳以上の収入源の内訳
- 65~69歳:30万7741円(うち社会保障給付21万6915円)
- 70~74歳:27万5420円(うち社会保障給付21万7558円)
- 75歳以上:25万2506円(うち社会保障給付20万7623円)
実収入を見ると、どの年代も社会保障給付(年金など)が21万円前後で中心的な収入源となっています。
ただし、年金の受給額は個人の加入履歴によって大きく異なるため、一度「ねんきんネット」などでご自身の見込み額を確認してみることをおすすめします。
1.2 年代別の支出合計:消費支出と非消費支出の比較
- 65~69歳:35万2686円(非消費支出4万1405円、消費支出31万1281円)
- 70~74歳:30万3839円(非消費支出3万4824円、消費支出26万9015円)
- 75歳以上:27万3398円(非消費支出3万558円、消費支出24万2840円)
支出合計には年代ごとに大きな違いが見られ、60歳代後半が約35万円、70歳代前半が約30万円、75歳以上が約27万円と、年齢が上がるにつれて減少する傾向にあります。
これはあくまで平均的なデータであり、個々のライフスタイルや健康状態によって支出は変動します。
続いて、これらの収入の基盤となる公的年金制度の仕組みについて見ていきましょう。
