5. 《年金を増やす方法》「付加年金制度」と「繰下げ受給(最大84%増額)」とは?

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「厚生年金の加入期間」は、老後の年金額を決める要素になります。

上限はありますが、年収が高いほど将来受給できる年金額が増えることに繋がります。

国民年金の未納期間がある人は、「追納」により老後の受給額を満額に近づけることができます。

ただし、国民年金には「満額」が設定されています。

次は、老後受給する年金を増やす方法として「付加年金制度」と「繰下げ受給(最大84%増額)」について解説します。

5.1 《厚生年金に加入していない人》「国民年金の付加年金制度」とは?

国民年金の「付加年金制度」は、定額の国民年金保険料に「付加保険料(月額400円)」を上乗せで支払うことで、将来受給できる国民年金を増やすことができるしくみとなっています。

なお、2025年度の定額の「国民年金保険料は1万7510円」です。

国民年金付加年金制度

国民年金付加年金制度

出所:日本年金機構「国民年金付加年金制度のお知らせ

「付加保険料」納付できる人は?

  • 国民年金第1号被保険者
  • 65歳未満の任意加入被保険者

「付加保険料」納付できない人は?

  • 国民年金保険料の納付を免除されている人(法定免除、全額免除、一部免除、納付猶予、または学生納付特例)
  • 国民年金基金の加入員である人

※個人型確定拠出年金(iDeCo)と付加年金は同時に加入することができますが、個人型確定拠出年金の納付額によっては併用ができない場合があります。

「付加保険料」20歳~60歳の40年間納付した場合は?

65歳以降に受け取れる「付加年金額」は、「200円×付加保険料納付月数」になります。

「20歳から60歳の40年間」付加保険料を納付した場合の計算は、以下のとおりです。

  • 40年間に納付した付加保険料の総額:19万2000円(400円×480カ月)
  • 65歳以降に受け取れる付加年金額(年間):9万6000円(200円×480カ月)

上記の計算により、毎年の年金受給額に「9万6000円が上乗せされる」ことがわかりました。

40年間に納付した付加保険料は19万2000円となるので、2年でもとが取れるでしょう。