4. 「老後2000万円問題」はシニアにとって依然として大きな課題
今回は、シニア世代の平均貯蓄額や年金額をもとに、老後のお金の実態について見てきました。
ここまでの内容を踏まえると、「老後2000万円問題」を難なくクリアできるのは、そう多くはなさそうです。
たとえば、高収入で長く安定して働くことができ、子育てや住宅ローンを比較的早く終えた人。さらに、退職金や資産運用をうまく活用できていて、大きな病気や介護の負担も少なく、健康に過ごせている人。
こうした好条件がいくつも重なれば、老後にまとまった資産を手元に残せる可能性は十分にあります。
ただし、貯蓄の平均値と中央値が乖離していることや、年金だけでは生活費が不足するであろう現実を考えると、多くの人にとって老後資金の準備は依然として大きな課題であると言えるでしょう。
今が「貯め時」なのか、それとも「取り崩し」のタイミングなのかは、人によって異なります。ご自身のライフプランに合わせて、資産をうまくコントロールできるとよいですね。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」
マネー編集部貯蓄班