3. 子ども・子育て支援金制度の問題点は山積

子ども・子育て支援金制度の主な課題は以下の3つです。

  • 現役世代は「高齢者+子ども」を支え切れるか
  • 賃上げの効果は波及するのか
  • 子ども・子育て支援金は少子化対策に適切か

いずれも乗り越えなければ、制度の存在自体に疑念を持たれかねない点です。それぞれの課題について解説します。

3.1 現役世代は「高齢者+子ども」を支え切れるか

支援金の徴収が始まると、現役世代は「高齢者世代」と「子ども世代」の2つの世代を支えなければなりません。

すでに現役世代は「医療保険料や年金保険料を納付して、高齢者世代に給付する」という日本の公的保険制度のもと、高齢者世代を下支えしています。

保険料の負担額も決して低くはなく、直近6年の全国健康保険協会東京支部の保険料率の変遷を見ても、近年は1割前後の傾向にあります。

  • 2020年:9.87%
  • 2021年:9.84%
  • 2022年:9.81%
  • 2023年:10.00%
  • 2024年:9.98%
  • 2025年:9.91%

厚生年金保険料率が18.3%、介護保険料率が1.59%のため、社会保険料だけで給与の3割超が引かれています。この状況でさらに支援金が徴収されれば、35%程度が社会保険料として引かれることが想定されます。給与からは所得税・住民税も徴収されるため、手取りはますます減ってしまうのです。

これだけ負担が増えると「高齢者世代や子ども世代を支える前に、自分の生活が立ち行かなくなってしまうのでは」と考える人もいるでしょう。現役世代の負担増加をどう解消していくのか、今後の施策が注目されます。