終わりの見えない物価上昇に悩む方は少なくないでしょう。
株式会社クロス・マーケティングが2025年6月5日に公表した調査によると、実質賃金が上がらず消費行動が縮小している傾向が見られました。
今後1年間の景気の見通しについて、「悪くなると思う」と回答した人は59%、「変わらないと思う」と回答した人は36%です。
さまざまな不安から、消費より貯蓄を重視してしまうかもしれません。
特に老後に向けた備えは多くの人にとって必要です。
老後の主な収入源は公的年金となりますが、年金だけでは足りない可能性もあるからです。
では、今の60歳代~70歳代は一体どれほどの貯蓄を有しているのでしょうか。
貯蓄1000万円未満・1000万台・2000万円台・3000万円以上の割合を確認します。
1. 60歳代・二人以上世帯の貯蓄額を深堀り
J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとに、60歳代の二人以上世帯の貯蓄データを紹介します。
※なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 貯蓄額の平均と中央値【60歳代】
- 平均:2033万円
- 中央値:650万円
1.2 貯蓄額ごとの割合【60歳代】
- 1000万円未満:53.8%
- 1000万円台:14.7%
- 2000万円台:8.0%
- 3000万円以上:20.0%
- 無回答:3.6%
貯蓄額の平均は2000万円超となっていますが、中央値は650万円。また1000万円未満が53.8%と、半数以上をしめているのです。
さらに「貯蓄ゼロ」という世帯は20.5%にものぼります。
では、完全にリタイヤした世帯の割合が増える70歳代ではどうでしょうか。