4. 【まとめ】豊かな老後を迎えるために
60歳代と70歳代の貯蓄額について見てきました。
「老後2000万円問題」などもありましたが、実際に必要な金額は世帯によってばらばらです。
実際、今のシニアの貯蓄額も幅広く分布していることがわかりました。
一概に「1000万円では足りない」「3000万円もあれば十分」と言えるものではなく、世帯の年金額や家族構成、居住地、就業の有無などによって大きく異なるものです。
豊かな老後を迎えるためには、まずは必要な老後資金をシミュレーションすることが大切です。
今回は資産運用での備え方を紹介しましたが、コツコツ預貯金で備える人や年金自体を増やす人、あるいは働き続けるなど、老後対策もまた個人で異なるものです。
物価上昇の今だからこそ、将来についてしっかり考えてみましょう。
5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
5.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。
参考資料
- J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 株式会社クロス・マーケティング「国内消費行動は縮小、食費のみ1年前より上昇 今後1年間の景況感「悪くなる」が6割と悪化」
太田 彩子