2. 【他の年代と比較】就職氷河期世代は貯蓄が少ない?普通?
前述したように、40歳代・50歳代の貯蓄の中央値はかなり低い水準にとどまっています。
では、こうした傾向は他の世代にも見られるのでしょうか。
金融経済教育推進機構が実施した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」では、20歳代から70歳代までの平均貯蓄額は下記のとおりです。
2.1 【単身世帯】20歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」
- 20歳代:平均値161万円・中央値15万円
- 30歳代:平均値459万円・中央値90万円
- 40歳代:平均値883万円・中央値85万円
- 50歳代:平均値1087万円・中央値30万円
- 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
- 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円
2.2 【二人以上世帯】20歳代〜70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」
- 20歳代:平均値382万円・中央値84万円
- 30歳代:平均値677万円・中央値180万円
- 40歳代:平均値944万円・中央値250万円
- 50歳代:平均値1168万円・中央値250万円
- 60歳代:平均値2033万円・中央値650万円
- 70歳代:平均値1923万円・中央値800万円
20歳代から30歳代にかけては貯蓄の中央値が順調に伸びている一方で、40歳代・50歳代では中央値が減少または横ばいとなっており、他の世代と比べても就職氷河期世代の貯蓄額の低さが際立っています。
この状況は、彼らが就職氷河期の厳しい環境下で非正規雇用やキャリア形成の困難を経験したことが、今の資産形成の遅れとして表れているのでしょう。
さらに、40歳代・50歳代の平均貯蓄額と中央値の差が約800万〜1000万円と大きく、同世代内での貯蓄格差や個人差が顕著であることもうかがえます。
次章では、40歳代・50歳代の貯蓄割合について見ていきましょう。