6月は夏のボーナスシーズン。自身の年収やキャリアアップ、貯蓄などを見直す良いタイミングでもあります。
1990年代から2000年代初頭にかけて続いた経済の長期停滞により、当時の就活生らは深刻な雇用難に直面しました。
この時代に社会へ出た人は「就職氷河期世代」と呼ばれ、厳しい労働環境や不安定な雇用の影響を今なお受け続けています。
現在、この世代は40歳代から50歳代となり、老後の生活や資金について現実的に考え始める時期に入っています。
では、そんな就職氷河期世代の人たちは、どのような貯蓄状況にあるのでしょうか。
本記事では、就職氷河期世代である40歳代・50歳代の「貯蓄事情」について詳しく解説します。
1. 就職氷河期世代「40歳代・50歳代」の平均貯蓄額はいくら?
まずは、就職氷河期世代「40歳代・50歳代」の平均貯蓄額から確認していきましょう。
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、40歳代・50歳代の平均貯蓄額は下記のとおりです。
1.1 【単身世帯】40歳代・50歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」
- 40歳代:平均値883万円・中央値85万円
- 50歳代:平均値1087万円・中央値30万円
1.2 【二人以上世帯】40歳代・50歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」
- 40歳代:平均値944万円・中央値250万円
- 50歳代:平均値1168万円・中央値250万円
貯蓄に関する平均額のデータを見ると、「就職氷河期世代」とされる人も堅実に資産を築いているように感じるかもしれません。
しかし、平均値は一部の高額貯蓄層によって数値が引き上げられる傾向があり、実態を正確に反映しているとは限りません。
一方で、中央値はより実態に近い水準を示しており、40歳代・50歳代の中央値はいずれも300万円未満にとどまり、特に単身世帯では100万円に満たない状況となっています。
この状況の背景には、40歳代・50歳代の世代が「就職氷河期世代」に該当し、当時の厳しい就職環境が貯蓄状況に大きく影響していると考えられます。
では、他の世代と比べたとき、どのような違いが見えてくるのでしょうか。