6月13日の年金支給日からは、年金額が前月より1.9%増額されます。これまでは満額で月額6万8000円でしたが、次回からは月額6万9308円となります。
しかし、現役時代に年金保険料を十分に納められなかった人は、年金額が少なく生活に苦しんでいるのではないでしょうか。そうした人たちを支援するのが「年金生活者支援給付金」です。なかでも老齢年金生活者支援給付金は、多くの人が受給対象となる可能性があります。
申請しないと受け取れない老齢年金生活者支援給付金。この記事では、給付金の概要や受給額、申請方法について解説します。
1. 年金が平均額に満たない人はどれくらい?
はじめに、年金が平均以下と比較的少ない人はどれくらいいるのか、厚生年金の受給者を例に見てみましょう。
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
〈男性〉平均年金月額:16万6606円
〈女性〉平均年金月額:10万7200円
受給額ごとの人数(全体平均額以下のみ)
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 合計:742万575人
- (参考)受給者合計:1605万4729人
平均額である14万台を下回る金額を受給する人は742万575人と、全体の46%程度です。女性の平均額である10万円台未満に絞ると、受給者は335万8577人と、全体の2割程度を占めています。基礎年金含む厚生年金の受給者の約2割が、10万円に満たない受給額となっているのです。
実際、年金にゆとりを感じていない人は一定数いるようです。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」によれば、二人以上世帯のうち60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。
物価上昇は現在も続いています。年金だけで家計をやりくりするのは厳しい状況といえるでしょう。
次章では、老齢年金生活者支援給付金の支給要件について解説します。