6月から住民税の徴収が始まります。住民税は前年の所得をもとに課税されますが、所得が一定額以下の人については、課税されません。

しかし、なかには所得要件をギリギリ上回ってしまい、課税対象となってしまう人もいるでしょう。課税対象となると、社会保険料の軽減や非課税世帯向けの給付金などが受け取れません。課税世帯が利用できる優遇制度には、どのようなものがあるのでしょうか。

この記事では、課税世帯のなかでもシニアに絞って、利用したい優遇制度を解説します。

1. 住民税が非課税になる要件

住民税が非課税にならない人は、所得が一定額を下回っていないことが考えられます。住民税が非課税となる要件は地域ごとに異なるため、住んでいる自治体の要件をあらためて確認してみるとよいでしょう。

参考として、以下の3都市の住民税が非課税になる要件を見てみましょう。

1.1 1級地(東京23区)

  • 単身世帯:45万円以下
  • 夫婦世帯:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下

1.2 2級地(茨城県水戸市)

  • 単身世帯:32万円+10万円以下
  • 夫婦世帯:32万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+18万9000円+10万円

1.3 3級地(北海道富良野市)

  • 単身世帯:28万円+10万円
  • 夫婦世帯:28万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+17万円+10万円

都市部に行くほど、住民税が非課税となる限度額は高くなっています。地域ごとの収入の差を考慮した結果、自治体ごとに非課税となる要件は異なっているのです。

ギリギリ非課税にならなかった人は、上記の所得金額をわずかに上回っていると考えられます。上回った金額がわずかであれば住民税の負担は少ないですが、住民税非課税世帯が受けられるような保険料の軽減、医療費や介護サービス費の軽減などは利用できません。

では、課税世帯でも利用できる優遇制度にはどのようなものがあるのでしょうか。次章で見ていきます。