5. 【豆知識】年金の基本:令和7年4月分からの年金額等について
2025年度になり、前述の「年金生活者支援給付金」だけでなく、公的年金も金額が変わりました。
ここでは、若い世代が知っておきたい「年金」の基本について、説明します。
5.1 Q 今年度、年金の支給額は変わりましたか?
→A 2025年度の年金額は、2024年度から原則1.9%引き上げられました。
年金額は、物価や賃金の変動に応じて、毎年見直される仕組みになっています。
物価が大きく上がっても、賃金の上昇がそれほどではない場合、年金の上がり方は、賃金の上昇率に合わせて調整されます。
これは、現役で働いている人たちの負担が大きくなりすぎないようにするためです。
つまり、年金額は経済状況に合わせて調整され、特に物価が高騰した場合には、現役世代の負担とのバランスを考慮して決められているのです。
6. まとめにかえて
今回は「年金生活者支援給付金」の支給条件や給付額、手続き方法などを整理してお伝えしたほか、現在のシニア世代がどの程度公的年金を受け取れているかも確認しました。
年金生活者支援給付金は、金額こそ決して大きくなく、世帯の家計を劇的に改善させるものではないかもしれませんが、もし支給対象となった場合はしっかり手続きをして受給し、活用していきましょう。
将来私たちが受け取る年金は、その時点の働き世代が納める保険料によって支えられています。ただし、少子高齢化が進む日本では、この年金制度の支え手が減少していくことは明らかです。
こうした背景から、公的年金制度だけに頼らず、自分自身の手による将来資金の準備に関心を寄せる人も増えています。預貯金や保険と並行して、iDeCoやNISAなどの税制優遇制度による資産運用を検討してみるのも一案でしょう。
参考資料
執筆者
ファイナンシャルアドバイザー/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
大阪府茨木市出身。関西学院大学商学部卒業後、住友生命に入社し生命保険販売業務に携わる。若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けた保険の総合的なプランニングを得意とする。また法人に対しても事業承継や退職金、福利厚生等のリスクに備える商品も提供。表彰歴多数。
現在は個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。(2024年12月3日更新)
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/一種外務員資格(証券外務員一種)/元証券会社社員
1985年生まれ。福岡県出身。筑紫女学園短期大学英文科(現・筑紫女学園大学)を卒業後、2005年に日興コーディアル証券株式会社(現・SMBC日興証券株式会社)に入社。ファイナンシャルアドバイザーとして、主に富裕層の個人顧客や法人に向けて、株式や債券、投資信託、保険商品などライフプランに寄り添った資産運用を提案する業務に従事した。一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
現在は、株式会社モニクルリサーチのメディア編集本部・LIMO編集部に所属。「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。(2024年8月22日更新)