2025年5月23日、総務省は4月分の「2020年基準 消費者物価指数(全国)」を公表。
これによると生鮮食品を除く総合指数は2020年を100として110.9に。前年同月比は+3.5%の上昇となりました。
止まらぬ物価高騰に家計が圧迫されるこんにち、日ごろの支出をていねいに把握しておくことは大切です。
完璧な家計簿をつけている人ばかりではないかもしれませんが、ライフイベントに備えた貯蓄や、長期的には老後資金を考えるなら、収入だけでなく「支出の内訳」にもしっかり目を向けていきたいところですね。
今回は、総務省の家計調査報告(家計収支編)をもとに、二人以上世帯の消費支出、なかでも食費の平均額を詳しく見ていきます。
「わが家の家計」を、同年代の平均と比較しながら、将来に向けた貯蓄計画へのヒントに繋げていただければと思います。
1. 65歳以上の標準的なリタイア世帯「毎月約3万円の赤字」
まずは、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支を見ていきます。
この世帯の月々の収入合計は25万2818円で、その約9割を公的年金などの社会保障給付(22万5182円)が占めています。
一方で、支出合計は28万6877円です。そのうち、社会保険料や税金などの「非消費支出」が3万356円、そして、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万6521円でした。
このデータを見ると、この夫婦世帯は毎月約3万円の赤字となっており、生活費を補うために貯蓄を取り崩す必要があることがわかります。
年金生活では、現役時代よりも少ない収入で家計をやりくりする必要があるのが一般的です。そのため、消費支出をいかに効率的に管理できるかが、安定した老後生活のカギとなりそうです。
次では20歳代~85歳以上の各年齢層に分けて、二人以上世帯の消費支出がどのくらいかを見てみましょう。