4. 6月支給分から「厚生年金・国民年金」が増額される!平均受給額はいくら?
公的年金額は毎年度改定され、2025年度は物価高などの影響もあり「国民年金や厚生年金」が前年度と比べ1.9%増えます。
しかし、マクロ経済スライドの調整により、実質は目減りとなります。
では、増額改定前の「国民年金や厚生年金」の平均月額はいくらだったのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金と国民年金の平均受給額を確認しましょう。
4.1 厚生年金の平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
4.2 国民年金の平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
平均年金月額は、厚生年金14万円台、国民年金5万円台でした。
ただし、公的年金は現役時代の収入や加入状況などにより、受給額の個人差が大きくなっています。
そのため、平均月額は参考にしていただき、ご自身の年金見込み額については「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などで確認しましょう。
5. まずは将来資金シュミレーションを!
ここまで、今のシニア世代にはどれくらいの貯蓄があるのか、平均的な家計収支はどのようになっているのか解説しました。
世帯主が65歳以上の二人以上世帯の場合、貯蓄の平均値は2509万円ですが、中央値は1658万円となっています。
また、貯蓄額が200万円未満の世帯は11.7%を占めており、貯蓄がある世帯とそうでない世帯で二極化していることがわかりました。
現役世代の方は、これからの仕事や収入、また年金制度の改正によって将来受け取れる金額は変わります。
また、状況によっては将来必要な資金も大きく変わってくるでしょう。
今の生活だけでなく、将来の生活について考えておくことも大切です。
たとえば、老後受給する予定の「年金見込み額」を確認したり、ご自身が将来に向けてどれくらいの貯蓄をしたらよいのか知るために「生活費の状況」を把握したりするとよいでしょう。
参考資料
- 帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年6月」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編) 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
横野 会由子