バイオテクノロジーは人類の歴史と共にある

バイオテクノロジーとは、生物が本来持っている能力、機能を利用して、人びとの暮らしに役立てる技術のことです。

人類は遥か昔から経験的な知恵を重ね、生物の力を生活に役立ててきました。たとえば、発酵食品や薬草を利用した薬、植物のかけ合わせによる地道な品種改良など、昔ながらのバイオテクノロジーは「オールドバイオ」と呼ばれています。

1970年代に入ると、細胞融合技術や遺伝子組換え技術といった革新的な技術がつぎつぎと登場し、バイオテクノロジーは急速に広がりました。最近では、バイオテクノロジーといえば、20世紀以降に実用化した「ニューバイオ」と呼ばれる技術を指すことがほとんどです。

では、バイオテクノロジーは現在、どのような産業分野で活用されているのでしょうか。

バイオ技術者が活躍する産業分野とは

バイオテクノロジーの応用分野は、大きく以下の4つに分類することができます。

1. 医療・ヘルスケア

生命科学研究の躍進により、医療のあり方も変わろうとしています。より一人ひとりの体質や症状に合わせた「オーダーメイド医療」の実現へ向けた動きが加速しています。特に再生医療の分野は大きな注目を集めており、iPS細胞やES細胞を中心に、実用化を見据えた研究が行われています。

また、診断技術の進歩にも著しいものがあります。たとえば、尿や血液からがんのリスクを調べるなど、特定の病気へのかかりやすさ、薬の副作用などを予測する技術なども登場しています。