5. 長寿社会における「働く」という選択肢
人生100年時代を迎え、70歳を超えても働く人が増加しています。その背景には、経済的な理由だけでなく、健康維持や社会とのつながりを求めるという動機も深く関わっています。
厚生労働省の調査によると、70歳以上の就業率は年々上昇傾向にあり、長寿化が進む日本社会において、「働く」という選択肢がより一般的になっています。
企業側も、定年延長制度や再雇用制度を導入することで、意欲と経験のある高齢者を活用しようとする動きが見られます。
5.1 70歳代の就労と働き方
定年延長や再雇用制度が広がり、専門知識を活かす仕事や、時間調整がしやすいパートタイムなどが人気です。
シルバー人材センターも多様な働き方を提供しています。
5.2 働くことのメリット・デメリット
収入の確保に加え、生活リズムの維持や健康促進、孤立感の解消が期待できます。
一方で、厚生年金を受給しながら働く場合は、収入によっては年金の一部または全額が支給停止となる可能性があるため注意が必要です。また、収入が増えることで税負担が増えることも念頭に置いておく必要があります。
5.3 検討すべきこと
70歳以降も働くという選択は、個々の状況や価値観によって異なります。経済状況、健康状態、そして何よりも「どのように過ごしたいか」という自身の希望を考慮し、慎重に検討することが大切です。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「高齢期と年金をめぐる状況」
マネー編集部