物価上昇が続くなか、2026年度は公的年金の改定にあわせて「障害年金生活者支援給付金」も増額されます。6月支給分から反映される予定で、障害基礎年金に加えて受け取れる“上乗せ給付”として注目されています。

一方で、この制度は対象条件を満たしていても、必要な手続きをしなければ受給できないケースがあるため注意が必要です。

近年は生活費や医療費の負担感が高まるなか、公的支援制度を正しく把握する重要性が増しています。

この記事では、2026年度の最新支給額や対象者、受給件数の傾向などを整理しながら、障害年金生活者支援給付金の仕組みをわかりやすく確認していきます。

1. 障害基礎年金、2026年度の改定額「1級約105.9万円」2級の1.25倍!

障害年金は、加入している年金制度によって「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2階建て構造になっています。令和8年4月分からの改定額を確認しましょう。

障害年金は2階建て1/6

障害年金は2階建て

LIMO編集部作成

障害基礎年金額は2級が84万7300円であるのに対し、1級はその1.25倍にあたる105万9125円(+子の加算)になります。障害厚生年金は「2階建て」の2階部分にあたるため、1級・2級の方は厚生年金に加えて、基礎年金もあわせて受け取れるのが大きな特徴です。

2026年度の障害年金「年金月額」2/6

2026年度の障害年金「年金月額」

出所:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」

この「1級は2級の1.25倍」という計算式は障害厚生年金(報酬比例部分)にも同様に適用され、さらに配偶者がいる場合の加給年金などが対象となります。

このように1級・2級は基礎と厚生のダブル受給となりますが、障害厚生年金には独自の3級もあり、症状や過去の納付実績に応じたきめ細かな保障となっています。

2. 障害年金生活者支援給付金、「1級約8.4万円」←対前年度2500円以上アップ!

2026年度は年金だけでなく、生活を支える「給付金」も増額されます。ここでは年金受給者に上乗せされる障害年金生活者支援給付金の詳細についてきていきましょう。

2.1 「年金に上乗せ」障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金は、2019年の消費税増税に伴う物価上昇の影響から、生活に特に配慮が必要な方の暮らしを支えるために設けられた制度です。この給付金は、障害基礎年金を受給している方のうち、所得が一定基準以下の方を対象として、通常の年金に上乗せして支給されます。

2026年度「障害年金生活者支援給付金」給付額3/6

2026年度「障害年金生活者支援給付金」給付額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

月額支給額の目安(障害等級別)

  • 1級:7025円(対前年度+212円)
  • 2級:5620円(対前年度+170円)

2.2 障害年金生活者支援給付金「対象になるのはどんな人?」

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)

※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く

3. 障害年金生活者支援給付金、受給件数約217万件「どの年代で受給者が多い?」

今月に厚生労働省から「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」が発表されました。ここからは、障害年金生活者支援給付金について、どの年代で受給者が多いか解説します。

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障害年金生活者支援給付金(2025年3月)

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

受給件数の分布

  • 30歳未満:26万6276件
  • 30歳代:31万6202件
  • 40歳代:37万1772件
  • 50歳代:46万8876件
  • 60歳代:38万4626件
  • 70歳代:26万4423件
  • 80歳代以上:10万4991件

受給件数は約217万件にのぼり、平均給付額は月額5727円、年間に換算すると約6万8千円となります。 年齢別の受給構成を見ると、最も多いのは50歳代の約46万件となっており、次いで60歳代、40歳代と続きます。

この年金生活者支援給付金の制度が「一部の高齢者のためのもの」ではなく、働き盛りで心身に不調をきたした現役世代を支える重要な役割を担っていることが分かります。 病気や事故といった「もしも」の事態は、どの世代にとっても決して他人事ではありません。

4. 平均余命・寿命データから考える高齢期の生活設計

平均余命とは、特定の年齢の人々が「あと何年生きられるか」を示す期待値です。

そして、私たちがしばしば使う「平均寿命」という言葉は、「(現時点での)0歳の平均余命」を指します。

2025年7月25日に厚生労働省が公表した「令和6年簡易生命表の概況」によると、最新の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。

また、平均寿命の長期的な推移を見ると、男女ともに着実に延びています。

  • 昭和30年(1955年) 男63.60 女67.75 男女差4.15
  • 昭和40年(1965年) 男67.74 女72.92 男女差5.18
  • 昭和50年(1975年) 男71.73 女76.89 男女差5.16
  • 昭和60年(1985年) 男74.78 女80.48 男女差5.70
  • 平成7年(1995年) 男76.38 女82.85 男女差6.47
  • 平成17年(2005年) 男78.56 女85.52 男女差6.96
  • 平成27年(2015年) 男80.75 女86.99 男女差6.24
  • 令和6年(2024年) 男81.09 女87.13 男女差6.03

長くなった老後を豊かに過ごすためには、現役時代からの計画的な貯蓄や資産形成、さらには公的年金制度への理解が大切となってくるでしょう。

5. 公的支援制度を確認し、将来の生活設計に備えよう

今回は、年金生活者支援給付金のひとつである「障害年金生活者支援給付金」について詳しく解説しました。

障害年金生活者支援給付金とは、障害者基礎年金を受給している方のうち、年金収入やその他の所得が一定の基準以下の方を対象にした公的な支援制度です。

2026年4月分からは、年金額も増額し前年に比べて1.25倍となっており、年間で約7万円弱の給付金を受け取れます。

今は物価高などの影響で生活コストが嵩んで生活が厳しいという方は少なくありませんが、この障害者生活支援給付金のように、生活が厳しい方を公的に支援してくれる制度は他にもあります。

今の生活が厳しいと感じている方は、市役所の福祉課などに相談すると自分が利用できる公的な支援制度を案内してくれるはずですので、一度相談することを検討しましょう。

年金額や給付条件は毎年度見直されるため、日本年金機構から届く通知書なども早めに確認し、自身や家族が対象になる制度を整理しておきましょう。

参考資料

鶴田 綾