低年金の世帯を対象とした「年金生活者支援給付金」は、2025年4月から2.7%の引き上げが実施されます。

この給付金は、一度きりの支給ではなく、要件を満たし続ける限り継続して支給されるため、収入が限られている年金世帯にとって心強い制度と言えるでしょう。

では、「年金生活者支援給付金」を受け取ることができるのは、具体的にどのような年金世帯なのでしょうか。

本記事では、「年金生活者支援給付金」の支給要件や2025年度の給付基準額について紹介していきます。

過去の年金生活者支援給付金の「平均支給額」についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 年金世帯は必ず知っておきたい「年金生活者支援給付金」とは?

年金生活者支援給付金は、公的年金やその他の収入が限られ、経済的に生活が苦しい状況にある高齢者世帯を支援するための制度です。

この給付金を受け取るには、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」のいずれかを受給していることが前提となります。

  • 老齢基礎年金(国民年金):老齢年金生活者支援給付金の支給対象の可能性あり
  • 障害年金:障害年金生活者支援給付金の支給対象の可能性あり
  • 遺族年金:遺族年金生活者支援給付金の支給対象の可能性あり

また、単に年金を受給しているだけでは給付金の対象とはならず、定められた条件をすべて満たすことが必要です。

次章では、各年金生活者支援給付金の受給要件について詳しく見ていきましょう。

1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
  • 前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2である。

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

1.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 障害基礎年金の受給者である。
  • 前年の所得※1が472万1000円以下※2である。

※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。

1.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 遺族基礎年金の受給者である。
  • 前年の所得※1が472万1000円以下※2である。

※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。

上記の条件をすべて満たしていれば、年金生活者支援給付金の支給対象となります。

では、年金生活者支援給付金の対象となった場合、どのくらいの給付金を受け取れるのでしょうか。