1. 【最新版】国民年金と厚生年金の平均受給月額

まず初めに、最新データから国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の平均年金受給月額を確認していきます。

国民年金と厚生年金の平均年金受給月額

国民年金と厚生年金の平均年金受給月額

出所:日本年金機構「日本年金機構の主要統計(176)(令和6年11月)」

日本年金機構による統計によると、最新の2024年11月時点での結果では、国民年金受給者の平均受給月額が5万8296円、厚生年金受給者の平均受給月額が15万1125円です。

老齢年金における国民年金受給者と厚生年金の受給者との間には、月額で10万円弱の差があることがわかります。

ここで、国民年金受給額と厚生年金受給額の算定方法を簡単に説明します。

1.1 国民年金(老齢基礎年金)受給額

国民年金の受給額は、受給者が「国民年金保険料」を納めた月数によって決定します。

国民年金保険は日本国内に居住する20歳から60歳が原則として加入する義務があり、全員が一律の保険料を支払います。

会社に勤めるなどで社会保険に加入している期間や、社会保険に加入している配偶者の扶養である期間には、国民年金保険料の支払いをすることなく「納付済み期間」として月数がカウントされます。

保険料が加入者全員一律であるため、老後に支給される国民年金(老齢基礎年金)も、加入月数が同じであれば同額となります。

日本に居住をしていない未加入期間や保険料の免除期間がある場合には、その月数分の年金額が受給額から控除されます。

2025年度において、40年間満額で支払いをしている場合であれば、老齢基礎年金の月額は6万9308円(年額83万1700円)です。

1.2 厚生年金(老齢厚生年金)受給額

厚生年金の受給額は、受給者が社会保険に加入していた「加入期間」と「報酬月額相当額」によって計算されます。

個人事業主など社会保険に加入をしない働き方をしていた場合には、厚生年金を受給することはできません。加入期間と報酬月額相当額によって、以下のように受給額の差が生じます。

【加入期間】
厚生年金受給額は加入期間に応じて高額になるため、社会保険の加入期間が長いほど受け取ることができる厚生年金の金額も大きくなります。

【報酬月額相当額】
月額の報酬額と、年間の賞与額によって決定するのが「報酬月額相当額」です。厚生年金は報酬月額相当額と比例して受給額も上がるため、社会保険加入時の給与や賞与が高いほど、将来受け取ることができる年金額が高くなります。