3. 住民税非課税世帯になるメリット

住民税非課税世帯になる主なメリットとして、医療や介護の負担が緩和されることが挙げられます。

たとえば、月あたりの医療費の自己負担限度額を超えた際に、超えた金額が払い戻される高額療養費について、住民税非課税世帯の自己負担限度額は低めに設定されています。

【高額療養費】医療費の自己負担限度額(69歳以下)

【高額療養費】医療費の自己負担限度額(69歳以下)

出所:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をもとに筆者作成

【高額療養費】医療費の自己負担限度額(70歳以上)

【高額療養費】医療費の自己負担限度額(70歳以上)

出所:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をもとに筆者作成

69歳以下

  • 3万5400円

70歳以上

  • 通常:2万4600円
  • 年金収入80万円以下など:1万5000円
  • 外来:8000円

課税世帯の自己負担限度額が5万7600円からとなっているため、2〜3万円ほど限度額が低くなっています。70歳以上の場合、外来受診だと1万円を下回っています。負担が少ない分、安心して医療を受けられるでしょう。

また、介護サービスの負担上限額も低めに設定されています。住民税非課税世帯の場合は、通常が2万4600円、年金収入80万円以下の単身世帯は1万5000円です。超えた分については、介護保険から払い戻しが受けられます。

<高額介護サービス費>

<高額介護サービス費>

出所:厚生労働省「サービスにかかる利用料」

もし医療と介護それぞれで自己負担が発生した場合は「高額医療・高額介護合算制度」により、自己負担を超えた分について、医療保険・介護保険それぞれから払い戻しを受けられます。上限額は以下のとおりです。

<高額医療・高額介護合算制度>

<高額医療・高額介護合算制度>

出所:厚生労働省「サービスにかかる利用料」

70歳未満

  • 34万円

70歳以上

  • 通常:31万円
  • 年金収入80万円以下:19万円
  • 年金収入80万円以下で介護サービス利用者が複数いる場合:31万円

高齢になると医療や介護を受ける機会が増えます。住民税非課税世帯は負担が最小限に抑えられているため、より積極的な医療を受けられるでしょう。

4. まとめ

月13万円の年金を受給している場合、住民税が課税されるかどうかは世帯構成や居住地次第で変わります。一度住んでいる自治体に確認してみるとよいでしょう。

住民税非課税世帯は、さまざまな給付が受けられたり、負担額が緩和されたりします。

多くのメリットを享受できますが、無理に非課税世帯になろうとすると、収入が減り生活に苦しむ可能性もあります。非課税にならない受給額であれば、年金を増やす工夫をしてみてもよいでしょう。

参考資料

石上 ユウキ