3. 今後引き上げ・増額となる可能性のあるもの
正式な引き上げ時期は明確ではないものの、現時点で引き上げや増額の可能性があるものとしては、以下の2つが挙げられます。
- 高額療養費の自己負担限度額
- 厚生年金保険料の上限
現在検討されている改正内容を振り返りましょう。
3.1 高額療養費の自己負担限度額の引き上げ
高額療養費は、所得に応じて定められる「自己負担限度額」を超える医療費の支出があった場合に、超えた分が払い戻される制度です。現在、自己負担限度額を引き上げようと、国会で議論が続けられています。
引き上げは2.7%〜15%としており、2025年から2027年までの3年間で段階的に引き上げる予定です。
自己負担限度額の引き上げは、健康保険料負担の緩和や医療給付額の増加を目的としています。しかし、費用面から高度な医療を享受しにくくなる可能性などがあり、議論は難航しています。2月18日には福岡厚生労働大臣が、年に4回以上高額療養費に該当する「多数回該当」の人の自己負担限度額の引き上げを凍結する旨を公表しました。