1. 銀行預金だけでは物価高についていけないから

昨今は、物価高が続いています。2024年12月における消費者物価指数(総合指数)の前年同月比は、3.6%の上昇です。

ただし、銀行預金の金利はこの物価上昇率を大きく下回ります。最近は預金金利引き上げの動きもみられますが、それでも大手銀行の円普通預金の金利は0.20%に変更予定と、決して高い数字とは言えません。

そのため、このまま物価上昇が続けば、銀行預金だけだと実質的な資産価値は目減りしていきます。

月3万円の積立預金と積立投資をした場合で、資産評価額の推移を比較してみましょう。なお、積立預金は年率0.2%の複利、積立投資は年率3.0%の複利でシミュレーションします。

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

積立投資・積立預金 シミュレーション比較

積立投資・積立預金 シミュレーション比較

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」を基に筆者作成

【積立期間】積立預金・積立投資

  • 【5年間】181万円・194万円
  • 【10年間】364万年・419万円
  • 【15年間】548万円・681万円
  • 【20年間】734万円・985万円
  • 【25年間】923万円・1338万円
  • 【30年間】1113万円・1748万円

※積立預金は年率0.2%の1カ月ごと複利・積立投資は3%で運用できた場合を想定

30年後の資産評価額には、600万円以上もの差があります。

なお、日本の年金を運用するGPIFは国内外の債券や株式に分散投資していますが、過去23年間の平均運用利回りは年率4.33%です。そのため、年率3.0%での運用は決して難しい数字ではありません。

資産を増やすことももちろんですが、物価上昇により実際の資産の目減りを防ぎたいならば、新NISAで資産運用をするべきでしょう。