3. 二極化傾向が顕著に…。70歳代のリアルな貯蓄事情

では最後に、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」を参考に、金融資産を保有していない世帯を含む、70歳代・単身世帯と二人以上世帯の貯蓄額を確認していきます。

3.1 70歳代の単身世帯の貯蓄一覧(貯蓄割合・平均貯蓄額)をチェック

  • 金融資産非保有:26.7%
  • 100万円未満:5.8%
  • 100~200万円未満:4.3%
  • 200~300万円未満:4.1%
  • 300~400万円未満:3.3%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.6%
  • 700~1000万円未満:5.1%
  • 1000~1500万円未満:8.6%
  • 1500~2000万円未満:5.3%
  • 2000~3000万円未満:8.2%
  • 3000万円以上:17.3%

平均:1529万円
中央値:500万円

70歳代の単身世帯における平均貯蓄額は1529万円ですが、この数字は富裕層による貯蓄額が大きいために、全体の平均を押し上げていることがわかります。

より実態に即した中央値を見ると、500万円となっており、平均額と比較すると1029万円も差があります。

さらに、70歳代の単身世帯では貯蓄額にかなりのばらつきがあり、貯蓄が多い世帯と少ない世帯の格差が広がっています。

例えば、「1500万円〜3000万円以上の貯蓄を持つ世帯」は30.8%に対し、貯蓄がゼロまたは100万円未満の世帯は32.5%に達しています。