総務省「2020年基準 消費者物価指数全 国 2025年(令和7年)8月分」によれば生鮮食品を除く総合指数は前年同月比で2.7%の上昇(2025年9月19日公表)。
穀類 22.7%、飲料 9.0%、通信 7.0%など、引き続き数多くのモノやサービスの値段が上がっています。
物価の上昇や社会保険料の負担で、今の生活で精一杯という方も多いでしょう。
そんな中、「70歳代で貯蓄3000万円以上」と聞くとうらやましいと感じるかもしれません。「老後2000万円問題」をクリアできているシニア世帯は、今の日本にどれくらいいるのでしょうか。
本記事では、70歳代で貯蓄3000万円以上の夫婦世帯の割合や、年金の平均受給額について見ていきます。記事の後半では、現役世代のうちからできる資産形成の方法についてもお伝えします。
1. 70歳代・二人以上世帯「貯蓄3000万円以上」の割合は何パーセント?
まずはJ-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」より「70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」を確認していきます。
※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
老後の資金に関する問題は、多くの人にとって重大な課題となっており、「70歳を過ぎて3000万円の貯金があれば安心なのか」という疑問を持つ方も少なくないでしょう。
上記の調査によると70歳代・二人以上世帯の中で3000万円以上の貯蓄を持っているのは、全体の19.0%に過ぎないことがわかっています。
※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。
1.1 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円以上の割合
- 19.0%
1.2 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値
- 平均:1923万円
- 中央値:800万円
つまり、約5世帯に1世帯だけが3000万円を貯めることができているということです。
また、貯蓄がゼロの世帯も含めた平均貯蓄額は1923万円であり、中央値は800万円にとどまっています。
上記から、3000万円という額は非常に高いハードルであることがわかります。
次に、シニア世帯を支える公的年金である厚生年金・国民年金について、さらに詳しく見ていきましょう。