3.2 高額療養費(自己負担限度額)
2月上旬時点で検討段階にあるのが、高額療養費の自己負担限度額です。高額療養費は、自己負担限度額を超えて医療費を支払った場合、超えた分が払い戻される制度です。
この自己負担額を2.7〜15%引き上げようと、現在国の社会保障審議会(医療保険部会)や国会で議論がされています。引き上げは2025年から2027年までの3年間で段階的に行う予定です。
自己負担限度額の引き上げは、医療給付額の増加と全世代の保険料納付負担の緩和を目的としています。しかし、その分医療費が高額になり、満足な医療を受けられなくなる可能性も懸念されています。実際に、患者団体が反対に関する要望書やアンケートを取りまとめるなど、関連団体の反発も起きている状況です。
最終的な判断は1月からの通常国会に委ねられます。どのような判断が下されるのか、注視しましょう。
4. まとめ
国民年金保険料は、向こう2年は連続して引き上げられることが確定しているうえ、基準額よりも高い金額となっています。私たちの社会保険料負担がさらに増えてしまう結果となりました。
税金や社会保険料で支出が厳しくなりがちなときこそ、支出の見直しや投資などで資産を増やしていくのが大切でしょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- e-Gov法令検索「国民年金法」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」
- 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」
- 一般社団法人 全国がん患者団体連合会「高額療養費制度の負担上限額引き上げ反対に関するアンケート取りまとめ結果(第1版)~3623人の声~」
石上 ユウキ