社会保険料の増額が止まりません。2025年度は年金受給額が1.9%引き上げられましたが、国民年金保険料は3.1%の増加となりました。また、2026年度はさらに引き上げとなる見込みです。
国民年金保険料は、私たちが65歳になると受け取れる基礎年金の財源として活用されています。しかし、近年は物価高や給付の増加などにより、保険料の引き上げが続いています。
国民健康保険料の上限引き上げが決定し、高額療養費も自己負担限度額引き上げを検討するなど、社会保障に関するお金は、年々国民負担が増えている状況です。
この記事では、次年度の国民年金保険料の引き上げや保険料が引き上げられる仕組み、現在のシニア世代の国民年金受給額などを解説します。
1. 2025年度の国民年金保険料は1万7510円
2025年度、2026年度の国民年金保険料は、以下のとおりです。
- 2025年度:1万7510円(前年度比+530円)
- 2026年度:1万7920円(前年比度+410円)
2025年度の保険料は1万7510円と、今年度から530円上昇しています。今年度の国民年金保険料は前年度比+460円のため、上げ幅は今年以上です。
さらに、2026年度は1万7920円の予定で、次年度の金額から410円の上昇が決定しています。本来の保険料額水準が1万7000円であることを踏まえると、2年間で940円、約5.4%も保険料負担が増えることになるのです。
1.1 国民年金保険料引き上げの仕組み
国民年金保険料は、国民年金法第87条第3項に基づき、名目賃金変動率の動きに応じて毎年改定されています。名目賃金変動率は、在職老齢年金の改定にも用いられる数値です。2年度前の実質賃金変動率と物価変動率を掛け合わせて算出しており、今回の改定では以下の数値が用いられました。
- 実質賃金変動率▲0.1%(=0.999)×物価変動率3.2%(=1.032)=3.1%
よって、今年から3.1%増額の1万7510円となっているのです。
そして、2026年度は今年度の実質賃金変動率▲0.4%と物価変動率2.7%を掛け合わせ、1万7920円と、2025年度の金額から2.3%の増額になる見込みです。
では、次章では現在のシニア世代の基礎年金受給額について解説します。
2. 現在のシニア世代の基礎年金額は?
シニア世代の基礎年金の受給額を、年齢別に見てみましょう。
- 60歳:国民年金4万3638円
- 61歳:国民年金4万4663円
- 62歳:国民年金4万3477円
- 63歳:国民年金4万5035円
- 64歳:国民年金4万6053円
- 65歳:国民年金5万9599円
- 66歳:国民年金5万9510円
- 67歳:国民年金5万9475円
- 68歳:国民年金5万9194円
- 69歳:国民年金5万8972円
- 70歳:国民年金5万8956円
- 71歳:国民年金5万8569円
- 72歳:国民年金5万8429円
- 73歳:国民年金5万8220円
- 74歳:国民年金5万8070円
- 75歳:国民年金5万7973円
- 76歳:国民年金5万7774円
- 77歳:国民年金5万7561円
- 78歳:国民年金5万7119円
- 79歳:国民年金5万7078円
- 80歳:国民年金5万6736円
- 81歳:国民年金5万6487円
- 82歳:国民年金5万6351円
- 83歳:国民年金5万8112円
- 84歳:国民年金5万7879円
- 85歳:国民年金5万7693円
- 86歳:国民年金5万7685円
- 87歳:国民年金5万7244円
- 88歳:国民年金5万7076円
- 89歳:国民年金5万6796円
60〜64歳のうちから年金を受け取る「繰上げ受給」をしている人は4万円台、多くの人が受給開始となる65歳以降は5万円台となっています。年齢によって若干の増減があるものの、平均して5万円台後半で推移しています。
国民年金とあわせて厚生年金を受給するのであれば、年金受給総額は14万円ほどになるでしょう。しかし、国民年金のみの受給となると、年間で平均約60万円程度しか受け取れません。
加えて、今後は少子高齢化などにより給付額が増えると想定されます。適切な給付水準を維持するためには、保険料の引き上げは避けて通れないものといえるでしょう。
次章では、年金保険料以外の社会保障費の負担について解説します。
3. 国民年金保険料以外の社会保険料の負担状況
国民年金保険料は次年度から引き上げられますが、あわせてすでに引き上げが決定しているものや現在引き上げが検討されているお金もあります。
それぞれどれくらい負担が増える見込みなのか、見ていきましょう。
3.1 国民健康保険料
国民健康保険料は、昨年10月31日に国の社会保障審議会(医療保険部会)にて引き上げが決定されました。
引き上げられるのは加入者全員の保険料ではなく、賦課限度額です。現在はどれだけ収入がある人でも、納付する保険料は最高106万円までです。しかし、次年度からは上限が109万円まで引き上げられます。
負担が増えるのは一部の高所得者に限られます。しかし、限度額の引き上げは3年連続となっており、国保財政の厳しさが浮き彫りになる制度改正でもあるといえるでしょう。
3.2 高額療養費(自己負担限度額)
2月上旬時点で検討段階にあるのが、高額療養費の自己負担限度額です。高額療養費は、自己負担限度額を超えて医療費を支払った場合、超えた分が払い戻される制度です。
この自己負担額を2.7〜15%引き上げようと、現在国の社会保障審議会(医療保険部会)や国会で議論がされています。引き上げは2025年から2027年までの3年間で段階的に行う予定です。
自己負担限度額の引き上げは、医療給付額の増加と全世代の保険料納付負担の緩和を目的としています。しかし、その分医療費が高額になり、満足な医療を受けられなくなる可能性も懸念されています。実際に、患者団体が反対に関する要望書やアンケートを取りまとめるなど、関連団体の反発も起きている状況です。
最終的な判断は1月からの通常国会に委ねられます。どのような判断が下されるのか、注視しましょう。
4. まとめ
国民年金保険料は、向こう2年は連続して引き上げられることが確定しているうえ、基準額よりも高い金額となっています。私たちの社会保険料負担がさらに増えてしまう結果となりました。
税金や社会保険料で支出が厳しくなりがちなときこそ、支出の見直しや投資などで資産を増やしていくのが大切でしょう。





