5. 「住民税非課税世帯」3万円の現金給付が進行中
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入が少ない年金受給者の生活を支援するためのものです。
一方、物価高騰などの経済的な影響を緩和することを目的に、しばしば各自治体で住民税非課税世帯への給付金が行われてきました。
現在も、2024年11月22日に閣議決定された「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」の一環として、低所得世帯に対して3万円の給付が行われています。
5.1 「3万円給付」の概要
- 対象世帯:住民税非課税世帯
- 給付額:一世帯当たり3万円
- 子育て世帯:子ども一人当たり2万円を加算
では、住民税非課税世帯となる要件を、東京23区の条件を例に見ておきましょう。
5.2 「住民税非課税世帯」に該当する条件【東京都23区内の場合】
(1)生活保護法による生活扶助を受けている方
(2)障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3)前年中の合計所得金額が下記の方
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
例えば、「同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合」の目安は所得45万円以下となります。
なお、所得45万円となる収入の目安は、次のとおりです。※目安のため異なるケースがあります。
- 給与収入のみの場合:年収100万円
- 65歳以上の年金収入のみの場合:年収155万円
- 64歳以下の年金収入のみの場合:年収105万円
※上記の(1)と(2)は全自治体共通の要件、(3)は自治体ごとに異なります。これらの条件を満たすことで、住民税非課税世帯として認定されます。
※給付金の対象世帯、支給要件、申請期限、申請方法は自治体によって異なります。LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
6. まとめにかえて
本記事では「年金生活者支援給付金」の支給額や対象者について解説してきました。
物価上昇が続く日本で、年金だけで生活をすることは難しいのが現状です。年金生活者支援給付金を受給したとしても、大きく生活が改善するというわけではないでしょう。
ここ最近では「NISA」や「iDeCo」などの資産運用で老後資金を準備する人が増えていますが、それぞれ仕組みや特徴は異なります。
資産運用を始めようと考えている場合は、まずは仕組みやメリット・デメリットを理解するところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 内閣府「「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」について」
長井 祐人