退職金は老後の生活を支える重要な財源ですが、公務員はどのくらいの退職金を受け取れるのでしょうか。
本記事では、最新の資料をもとに、国家公務員の退職金の平均額をご紹介します。
大企業や中小企業の退職金の平均額もあわせて解説しますので、公務員の退職金と比較しながら参考にしてください。
1. 公務員の退職金は「2000万円以上」って本当?
公務員には「国会議員」や「教員」など、多岐にわたる職種があり、大きく「国家公務員」と「地方公務員」に分けられます。
- 国家公務員:(職種例)自衛官、裁判官、検察官、国会議員、大使など
- 地方公務員:(職種例)教員、役場職員、警察官、消防士、自治体議員など
地方公務員は、都道府県や市町村によって給与や退職金の水準が異なるため、ここでは国家公務員の退職金について紹介します。
1.1 国家公務員の「退職金」の平均金額はいくら?
内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況」によると、国家公務員が定年退職時に受け取れる退職金の平均金額は下記の結果となりました。
「常勤職員」および「行政職俸給表(一)適用者」の定年退職時の退職金は、平均して2000万円以上となっています。
ただし、これらの金額は「常勤職員」と「行政職俸給表(一)適用者」の平均的な退職金額であり、必ずしも全員が退職時に2000万円以上を受け取れるわけではありません。
次章では、国家公務員の退職金額を「勤続年数別」に詳しく確認していきます。
2. 【勤続年数別】国家公務員の定年時の退職金を確認
内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況」によると、勤続年数別における国家公務員の定年時の退職金は、下記のとおりです。
勤続年数別に見ると、勤続年数が長いほど、定年時に受け取れる退職金が増加傾向にあることがわかります。
実際に、勤務年数が30年以上の場合、退職金は2000万円を超えることがありますが、「25年~29年」の勤続年数では1599万3000円にとどまり、2000万円には届いていません。
これらのデータから、国家公務員は30年以上勤続することで、定年退職時に2000万円以上の退職金を受け取れる可能性が高いといえます。
2.1 退職金を多く受け取るためには「退職理由」も重要
前章では、勤続年数別に国家公務員の退職金を確認していきましたが、退職金を多くもらうためには「勤続年数」以外に、「退職理由」も大きく影響します。
内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況」によると、国家公務員の退職理由別の退職金は下記の結果となりました。
「定年退職」と「自己都合退職」では、退職金額に大きな差があり、自己都合退職の場合は10分の1程度まで退職金が減少していることがわかります。
上記から、退職金を増やすためには「勤続年数」だけでなく、「退職理由」も重要な要素であることが考えられます。
一方で、定年と同等の退職金を受け取れる「応募認定」とは、定年を迎える前に退職を希望する国家公務員が、各省庁の定める条件を満たした場合に、退職が認められる制度を指します。
この応募認定制度を活用すれば、定年を待たずに退職しても定年退職者と同等の退職金を受け取れるため、「早めに退職して新たな生活を始めたい」という方にとって良い選択となるでしょう。
3. 【企業規模別】「国家公務員の退職金」を「会社員の退職金」と比較
では最後に、会社員(大企業・中小企業)の定年時に受け取れる退職金の平均額について見ていきましょう。
3.1 「大企業」の定年時のモデル退職金
中央労働委員会の「令和5年賃金事情等総合調査」による、大企業(資本金5億円以上かつ労働者1000人以上の企業)のモデル退職金は、下記の結果となりました。
調査産業計、製造業ともに定年時の退職金の平均額は2000万円には到達していませんが、どちらも高い金額となっています。
なお、男性・満勤勤続に限定した定年退職者の退職金額は、大卒・高校卒とも2000万円を超える結果となりました。
3.2 「中小企業」の定年時のモデル退職金
東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」によると、中小企業(企業規模が300人未満の企業)の定年退職金は下記のとおりです。
大企業と中小企業の退職金を比較すると、企業規模の違いにより約1000万円もの差があることが見受けられます。
さらに、中小企業では学歴によって退職金額に若干の差が生じるケースも上記表からみてとれます。
ただし、これらの金額はあくまで参考となるモデルケースであり、実際の金額は企業の方針や勤続年数などによって大きく異なる可能性があります。
本記事で紹介した退職金額は、一つの目安として捉えておきましょう。
4. 必ず退職金を受け取れるとは限らない
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本記事では、最新の資料をもとに国家公務員の退職金の平均額について解説しました。
国家公務員の定年退職金の平均額は約2000万円ですが、勤続年数によっては2000万円に届かないケースも少なくありません。
一方、会社員の場合は企業規模によって退職金額に大きな差があり、さらに一部の企業では退職金制度自体が存在しないこともあります。
上記から、老後の生活を退職金だけに頼るのはリスクが伴うため、「退職金を受け取れなかった」「想定より少なかった」といった状況に備え、別の資金源を確保しておくことが重要です。
参考資料
和田 直子