3. 現役時のうちから知っておきたい「老齢年金の落とし穴」

前章では、老後に受け取れる年金の平均月額について解説しましたが、実は年金にはあまり知られていない落とし穴がいくつかあります。

そこで本章では、現役時のうちから知っておきたい「老齢年金に関する予備知識」を3つご紹介します。

3.1 老齢年金は毎月支給されない

現役時の給与は1ヶ月に1回振り込まれるのが一般的ですが、年金は2ヶ月に1回、偶数月の15日に支給されます(15日が土日祝日の場合は、その直前の平日に振り込まれます)。

年金:支払月と支払対象月

年金:支払月と支払対象月

出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」

【年金の支払月と支払対象月】

  • 2月:12月と1月分
  • 4月:2月と3月分
  • 6月:4月と5月分
  • 8月:6月と7月分
  • 10月:8月と9月分
  • 12月:10月と11月分

多くの現役世帯では家計管理を1ヶ月単位で行うことが一般的ですが、年金生活では支給ペースが2ヶ月単位となるため、この点を踏まえて老後は家計管理を行うことが重要です。

3.2 年金からも税金・社会保険料が天引きされる

日本の老齢年金は、現役時と同様に「税金」や「社会保険料」が天引きされた後に年金受給者に振り込まれます。

そのため、通知書に記載された額面金額よりも、実際に受け取る手取り額が少なくなるケースが多いです。

老齢年金から天引きされる「税金」と「社会保険料」は、以下の4種類となっています。

  • 所得税と復興特別所得税
  • 個人住民税
  • 介護保保険料額
  • 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)

年金から天引きされる費用については、各自治体が詳細を掲載している場合もあります。

気になる方は、お住まいの自治体ホームページで一度確認してみると良いでしょう。