3.3 年金受給開始時期が遅くなる可能性がある
確定拠出年金(企業型DC)を60歳から受給開始するには、加入者等期間が10年必要です。
自動移換の期間は、確定拠出年金(企業型DC)の加入者等期間とはみなされないため、受給資格要件を満たせず60歳からの受け取りができない可能性があります。
そのため、老後資金の準備や定年退職後の働き方などに影響が出ると考えられます。
4. まとめにかえて
退職する企業で確定拠出年金(企業型DC)に加入していた場合は、資格を喪失してから6カ月を経過しないうちに、移換手続きを取る必要があります。
そのまま放置すると、年金資金が現金化され運用ができなくなる、手数料がかかる、年金受給開始時期が遅くなる可能性があるといったデメリットがあります。
これまで形成してきた年金資金をさらに有効活用できるように、他の確定拠出年金(企業型DC)に加入したり、iDeCoに加入したりと、適切な手続きを取りましょう。
参考資料
- e-Gov 法令検索「確定拠出年金法」
- 知るぽると「(2) 企業型確定拠出年金(DC)」
- 企業年金連合会「自動移換」
- iDeCo公式サイト「就職(転職)・退職された方へ」
- iDeCo公式サイト「加入希望者の方へ」
- 厚生労働省「2020年の制度改正(確定供出年金制度)」
木内 菜穂子