確定拠出年金(企業型DC)は老後資金の準備に役立つ制度であり、勤務先で加入している方もいるでしょう。しかし、転職や退職時には「移換手続き」が必要で、仮に放置してしまうと思いもよらないデメリットが発生してしまいます。

適切な移換手続きは、退職後に年金資産をどうしたいかによって異なります。

本記事では、転職や退職の際に確定拠出年金(企業型DC)についてどのような手続きを取れば良いのか、また、手続きをしなかった場合のデメリットなどについて解説していきます。

1. 国民年金基金連合会への自動移換とは

確定拠出年金(企業型DC)への自動移換とは、退職により企業型確定拠出年金の加入者資格を喪失した方が、6カ月以内にiDeCoやほかの企業型DCに移換、脱退一時金の請求をしなかった場合、年金資産が国民年金基金連合会に自動的に移換されることをいいます(確定拠出年金法第83条)。

ただし、iDeCoやほかの企業型DCに口座があり、本人情報(基礎年金番号・性別・生年月日・カナ氏名)が一致する場合は、その口座に年金資産が移換されることもあります。