1.1 国民年金（1階部分）を受給できる人はどんな人？

国民年金は、日本に住む20歳から60歳未満の全員が原則加入する1階部分にあたる制度です。

国民年金は、収入に関係なく、60歳になるまでの40年間（480ヶ月間）にわたり、国民年金保険料を納める必要があります。

なお、保険料は年度ごとに見直されており、2024年度の月額は1万6980円です。

ただし、第2号被保険者である会社員は、厚生年金保険料に国民年金保険料が含まれているため、個別に支払う必要はありません。

また、専業主婦などの第3号被保険者も保険料負担はありません。

したがって、保険料を単独で支払うのは自営業やフリーランスなどの第1号被保険者のみとなります。

40年間にわたって未納なく保険料を支払うと、老後に満額の国民年金を受け取ることができ、2024年度では月額6万8000円が満額となっています。

1.2 厚生年金（2階部分）を受給できる人はどんな人？

会社員や公務員などの第2号被保険者は、2階部分にあたる厚生年金にも加入しているため、老後には「国民年金＋厚生年金」の両方を受給することができます。

厚生年金の保険料は給与や賞与などの報酬に応じて算定されるため、個人ごとに異なる点が特徴といえます。

国民年金と厚生年金では保険料の負担額や年金の受給額が異なるため、加入状況により将来の年金額が大きく変わります。

たとえば、国民年金のみの加入者の場合、受給額は満額で月額6万8000円であり、月額30万円以上の年金収入を得ることは難しいでしょう。

また、厚生年金に加入している場合も、現役時代の収入によって受給額に差が出るため、誰もが高額の年金を受け取れるわけではありません。

次章では、現在のシニア世代が受け取っている厚生年金の支給額について見ていきます。