2024年から新NISAがスタートし、まもなく1年を迎えます。 今年から資産運用を始めた方も多いのではないでしょうか。

NISAは、少額からの投資を行う方のために2014年1月にスタートした「少額投資非課税制度」です。

2024年から新NISAになったことで、非課税保有期間が無期限となったほか、つみたてNISAがつみたて投資枠に、一般NISAが成長投資枠に引き継がれ、併用できるようになりました。

これにより投資初心者だけでなく、投資を経験したことのある方にも使いやすい制度に生まれ変わりましたが、50歳から65歳までの15年間で積立投資して資産を「1000万円」にすることは可能なのでしょうか。

本記事では新NISAを活用した積立投資で50歳から65歳まで「1000万円」をつくるために必要な積立額がいくらかシミュレーションします。

1. 【50歳代・単身世帯の貯蓄事情】平均貯蓄額「平均値・中央値」はいくら?

50歳代になると、定年後の生活を考える人が増えてきます。

老後に向けて貯蓄を始めている方もいるかもしれませんが、同年代の人たちはどれほど貯蓄しているのでしょうか。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」を参考に、50歳代の貯蓄額を「単身世帯」と「二人以上世帯」に分けて見ていきます。

※本章で扱う貯蓄額(金融資産保有額)には、預貯金の他に株式や投資信託、保険などの金融商品残高も含まれています。

まずは、50歳代・単身世帯の貯蓄事情から見ていきましょう。

【写真1枚目/全3枚】【円グラフ】50歳代単身世帯の貯蓄額/2枚目以降【円グラフ】50歳代二人以上世帯の貯蓄額

【円グラフ】50歳代単身世帯の貯蓄額

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 【単身世帯】平均貯蓄額(平均値・中央値)

  • 平均:1391万円
  • 中央値:80万円

1.2 【単身世帯】金額階層別の世帯割合

  • 金融資産非保有:38.3%
  • 100万円未満:11.2%
  • 100~200万円未満:5.2%
  • 200~300万円未満:2.7%
  • 300~400万円未満:3.6%
  • 400~500万円未満:3.8%
  • 500~700万円未満:4.6%
  • 700~1000万円未満:5.5%
  • 1000~1500万円未満:4.9%
  • 1500~2000万円未満:4.1%
  • 2000~3000万円未満:4.4%
  • 3000万円以上:9.3%

50歳代の単身世帯における平均貯蓄額は1391万円ですが、より実態を反映しているとされる中央値は80万円です。

また、貯蓄額ごとの世帯の割合を見ると、38.3%の世帯が貯蓄ゼロとなっています。

次に、二人以上世帯の貯蓄額について見ていきましょう。