「ニトリホールディングスの給料は実際どれくらいなのか?」「店舗で働く場合と本社勤務とでは待遇が違うのでは?」と気になっていませんか?
ニトリホールディングスの最新有価証券報告書によると、平均年間給与は745万6000円で、前年度から4.6%減少しています。
ただし、この平均給与は持株会社単体の少数組織によるものであり、実際に店舗運営等を担う中核子会社「株式会社ニトリ」の給与水準とは異なる点に注意が必要です。
本記事では、有価証券報告書のデータをもとに、平均年収の実態からセグメント別の従業員数、2026年3月期の業績動向までを詳しく解説します。
就職・転職やキャリア選択、株式投資の判断材料としてぜひご活用ください。
- 平均年間給与745万6000円、前年度比4.6%減:月例給与は堅調に増加した一方、業績連動型報酬制度に基づき賞与支給額が変動したことが主な減少要因。平均年齢39.6歳・平均勤続年数12.2年の持株会社単体(884名)の給与水準として算出されている。
- 持株会社ゆえの少数精鋭構成:提出会社(ニトリホールディングス)はグループの経営管理を担う884名の組織であり、実際に店舗運営等の主力事業を担う中核子会社「株式会社ニトリ」(4651名、平均年間給与597万8000円)とは給与水準が異なる。
- 2026年3月期は減収増益の決算:国内既存店客数の落ち込み(前期比92.8%)等により売上収益が前期比1.8%減少した一方、物流コスト削減や島忠事業の黒字転換により営業利益は6.7%増加した。
1. ニトリホールディングスの平均年間給与はいくらか
有価証券報告書によると、ニトリホールディングス(提出会社単体)の2026年3月31日時点における平均年間給与は、745万6000円でした。
前期(2025年3月期)の781万2000円から35万6000円減少し、前年度比4.6%の減少となりました。
この減少について、有価証券報告書では、月例給与は前事業年度比で堅調に増加した一方、業績連動型報酬制度に基づき賞与支給額が変動したことが主な要因と説明されています。
平均年齢は39.6歳、平均勤続年数は12.2年となっています。
なお、この平均年間給与には賞与及び基準外賃金が含まれています。
ここで注意したいのは、ニトリホールディングスが2010年に持株会社体制へ移行した企業であるという点です。
提出会社(単体)の従業員884名は、グループの経営管理を担う本社機能が中心であり、店舗運営等のニトリ事業の実務を担う中核子会社「株式会社ニトリ」とは組織が分かれています。
参考までに、有価証券報告書には最大人員会社として株式会社ニトリのデータも開示されており、従業員数4651名、平均年齢32.1歳、平均勤続年数7.8年、平均年間給与597万8000円(前年度比0.4%減)となっています。
提出会社単体の給与水準は、こうした子会社の給与水準とは異なる点に留意が必要です。
2. ニトリホールディングスの従業員数は何人か
有価証券報告書によると、提出会社(単体)の従業員数は2026年3月31日時点で884名でした(このほか、臨時雇用者数347名)。
前期末の939名から55名減少しています。
提出会社単体のセグメントは「ニトリ事業」のみで構成されています。
一方、連結ベースの従業員数は1万9432名(このほか、臨時雇用者数2万2304名)となっています。
セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- ニトリ事業:1万8170名(このほか、臨時雇用者数1万9920名)
- 島忠事業:1262名(このほか、臨時雇用者数2384名)
前期と比較すると、ニトリ事業は1万8670名から500名、島忠事業は1297名から35名、それぞれ減少しています。
ニトリホールディングスは2021年に株式会社島忠を子会社化しており、家具・インテリア専業のニトリ事業と、ホームセンター業態を含む島忠事業の2つのセグメントで構成されている点が特徴です。
3. 過去5年間の業績推移
ニトリホールディングス(連結)の業績推移も確認しておきましょう。
同社は2022年5月開催の株主総会決議により、決算期を2月20日から3月31日に変更しており、2023年3月期(第51期)は13カ月11日間の変則決算となっています。
また、2025年3月期(第53期)より国際会計基準(IFRS)を適用しているため、それ以前の日本基準の数値と単純比較はできない点に留意が必要です。
そこで、IFRS移行後の直近3期間(第52期~第54期)の推移でみていきます。
売上収益は、2024年3月期の8966億6700万円から2025年3月期には9288億2800万円まで増加した後、2026年3月期には9122億4800万円まで減少しました。
税引前当期利益は、2024年3月期の1248億3800万円から2025年3月期には1174億4800万円まで落ち込みましたが、2026年3月期には1273億5700万円まで回復しています。
親会社の所有者に帰属する当期利益も同様の動きを見せており、2024年3月期の901億5800万円から2025年3月期には825億4600万円まで減少した後、2026年3月期には892億7000万円まで回復しました。
2026年3月期の売上収益が減少した要因について、有価証券報告書では、国内ニトリ事業における既存店の客数が前期比92.8%まで落ち込んだことを挙げています。
デザインや機能、価格競争力に優れた新商品の開発が十分に進まず、適時に商品提案を行えなかったことが要因とされています。
一方で営業利益が増加した要因としては、竣工済みの自社物流センター(DC)6拠点が本格稼働したことによる物流コストの削減が挙げられます。
また、赤字が続いていた島忠事業のセグメント利益は、前期の12億8800万円の赤字から72億1200万円の黒字へと大きく改善しました。
プライベートブランド(PB)商品の開発推進による粗利益率の改善や、広告宣伝費・物流経費の見直しが寄与したとされています。
なお、同社は中長期ビジョンとして「売上高3兆円」の達成を掲げていますが、具体的な数値目標については、成長投資・資本効率・株主還元のバランスを柔軟に変化させながら最適な経営戦略をとるべきとの考えから、現時点では公表していないとしています。
4. まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は、仕事をする人にとって誰もが気になる要素ではないでしょうか。
金銭面の処遇だけでなく、働きがいや働きやすさといった職場環境が大切なのは言うまでもありません。
とはいえ、「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。
こうした有価証券報告書ベースのデータが、就職活動や転職活動、そして株式投資の参考になれば幸いです。
4.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人員となっています。
4.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
5. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
有価証券報告書に示された「平均年収745万6000円」という数字は、ファイナンシャルプランニング(FP)の視点からは、この数値が持株会社であるニトリホールディングス単体(884名)のものであり、店舗等の現場で働く場合の待遇を直接表すものではない点に注意が必要です。実際に配属される可能性が高いのは、家具・インテリア用品の販売等を担う中核子会社「株式会社ニトリ」であり、同社の平均年間給与は597万8000円(平均年齢32.1歳、平均勤続年数7.8年)と、提出会社単体の水準とは異なります。就職活動や転職活動でニトリグループを検討する際は、募集要項に記載された配属先の会社名や事業内容を確認したうえで、実際の処遇水準を見極めることをおすすめします。
一方、投資家目線でみると、2026年3月期は国内既存店客数の落ち込みにより減収となったものの、自社物流センターの本格稼働や島忠事業の黒字転換により増益を確保した「減収増益」の決算であった点が注目されます。特に、買収から数年を経た島忠事業がセグメント利益で黒字転換したことは、グループ経営の統合効果が表れ始めた兆候として評価できるでしょう。
新NISAなどを活用して長期的にニトリホールディングス株式へ投資する場合も、単に大手小売企業だからという理由だけでなく、既存店客数の回復ペースや、非公表とされている中長期の数値目標が今後どのような形で示されるかを継続的に確認する視点が欠かせません。給与水準の動向と企業の成長戦略が両立していくかどうかは、キャリアを検討するうえでも、株式に投資するうえでも、注目しておきたいポイントといえるでしょう。
参考資料
- ニトリホールディングス株式会社「有価証券報告書」(第54期、2026年3月期)
- ニトリホールディングス株式会社「有価証券報告書」(第53期、2025年3月期)
- ニトリホールディングス株式会社「経営方針」
- 日本取引所グループ「3-2.上場会社とは②~上場会社の情報開示~」
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