4. 年金額を増やすためには
年金額を増やすためにできる工夫は、以下のとおりです。
- 年金を繰下げ受給する
- 働く期間を延ばす
- iDeCoなどの私的年金を活用する
公的年金を増やす方法と、公的年金とは別に年金をつくる方法とがあります。自分のライフプランに合わせて、できることを始めてみましょう。
4.1 年金を繰下げ受給する
年金を繰下げ受給することで、年金増額が見込めます。繰下げは1ヶ月ずつ行えて、1ヶ月繰下げするごとに0.7%の年金が増額されます。繰下げは最大で10年まで可能で、1年繰下げれば8.4%、10年で84%もの年金が増えます。
年金を繰下げしている期間は、年金を受け取れません。また、一度受給してしまうと繰下げは適用できません。繰下げを検討するなら、受給前にしておくとよいでしょう。
4.2 働く期間を延ばす
定年後も働くことで、給与だけでなく受け取る年金も増やせます。厚生年金は70歳まで加入できる年金です(※)。受給額は給与額や厚生年金保険への加入期間で決まります。
60〜65歳で定年を迎えた後も働き続けることで厚生年金保険への加入期間が長くなり、受け取れる年金を増やせるのです。
ただし、年金と給与・月額換算した賞与の合計が50万円を超えると、年金の一部または全額が支給停止となります。
「在職老齢年金」と呼ばれるこの制度は、月収が50万円を下回るか自身が退職しない限り適用され続けます。年金を増やすために働いて受け取る金額を減らしてしまっては意味がないため、働き方は上手に調整しましょう。
※厚生年金保険の適用事業所以外の事業所で働く70歳以上で、老齢年金の受給資格を満たしていない方は、老齢の年金を受けられる加入期間を満たすまで任意に厚生年金保険に加入できる。