3. 毎月約3万円の赤字に。おひとりさまシニア世帯の家計収支
総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」による、65歳以上の単身無職世帯における家計収支は下記のとおりです。
【65歳以上 単身無職世帯】
- 実収入(総支給額):12万6905円
- 可処分所得(手取り収入):11万4663円
- 消費支出:14万5430円
- 毎月の赤字額:3万768円
上記はあくまでおひとりさまシニア世帯の「平均的な家計収支」を示していますが、毎月約3万円の赤字が発生しています。
仮にこの赤字が30年間続くとすると、約1080万円の赤字補填が必要になり、貯蓄がゼロの状態であれば就労を余儀なくされるでしょう。
さらに、上記の赤字は「日常的な生活費」のみを考慮したものであり、実際には医療費や介護費、葬儀費用なども加味する必要があります。
このような状況から、貯蓄がないおひとりさまシニア世帯の生活はより厳しさを増すことが予想されます。
4. 老後の生活費を年金だけで100%賄えているのは「半数以下」
本記事では、生活保護受給者の実態や年金世帯の貯蓄事情や家計収支について紹介しました。
現代において、生活が困窮しているおひとりさまシニア世帯が多く存在し、生活保護を受けているシニアの9割以上がおひとりさま世帯です。
さらに、厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、年金だけで生活している人は「41.7%」にとどまり、半数以上の人が年金だけでは生活できていないのが現状です。
本記事で「老後が不安」と感じた方は、今のうちから老後資金の準備を始めることが、安心した老後生活につながるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和6年8月分概数)の結果を公表します」
- 厚生労働省「令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会-(本文)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
和田 直子