物価上昇が続く中、老後生活への不安が高まる方も多いでしょう。
給与収入を得る現役世代の場合、12月はボーナス支給があります。また残業や副業、あるいは思い切った転職などで、収入を増やす方法はありますよね。
しかし、年金生活になるとそうもいきません。固定の年金収入の中でやりくりすることになるので、「本当に定年退職してしまってもいいのか」「アルバイトでも続けておいた方が安心なのではないか」など考えている方も多いと思います。
実際、年金受給者の中には、年金だけでは生活が厳しいという声も少なくありません。
老後の生活を安心して過ごせるためにどうしたらいいのかといった相談を、FPである筆者も多くの方から受けています。
「老後に向けて今から何をしたらいいのか」「今のままで老後を迎えて大丈夫なのか」などといった不安の声が多くあります。
では、老後に向けてどういった考えや準備が必要なのでしょうか。
本記事では、65歳以上・無職夫婦世帯の1ヵ月の生活費の平均をみていき、安心した老後に向けてどのような準備が必要なのかを考えていこうと思います。
1. 65歳以上「無職の夫婦世帯」の貯蓄額はいくら?
ひと昔前は60歳で定年退職を迎える方が多かったものですが、最近では65歳までの就労を希望する方が増加しています。
2025年4月には、65歳までの雇用機会の確保が企業へ義務化されるため、希望する人は65歳まで働けるようになるでしょう。
では、「65歳でリタイア=65歳で年金生活がスタート」となった場合、どれほどの貯蓄が必要になるのでしょうか。
総務省の家計調査報告によると、65歳以上の「無職の夫婦世帯」の平均貯蓄額は2504万円となっています。
平均額が上昇傾向にあることから、老後への備えに対する需要が高まっていることがわかります。