2. 富裕層が増える日本。その背景とは?
「富裕層・超富裕層」の世帯数・資産規模の推移についても見ていきましょう。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」の始動時期にあたる2013年以降、「富裕層と超富裕層」の保有資産額および世帯数は右肩上がりで増えています。
下記の推移からわかるように、2013年~2021年にかけて「富裕層+超富裕層」の資産規模は約3.8倍に、世帯数の合計は約1.5倍になっているのです。
- 2013年:95.3兆円・100.7世帯
- 2015年:272兆円・121.7世帯
- 2017年:299兆円・126.7世帯
- 2019年:333兆円・132.7世帯
- 2021年:364兆円・148.5世帯
このように、日本で富裕層が増える要因について、次で考えていきましょう。
2.1 <日本で富裕層が増える要因>
日本で富裕層が増え続ける背景を考えてみましょう。
2005年以降、日本経済は緩やかな成長を続けてきました。この経済成長により、資産を増やすための投資やビジネスの機会が広がり、多くの人にとって資産形成を進める環境が整ったのです。
その結果、投資や事業で成功した一部の人々が富裕層の仲間入りを果たし、株式などの資産価格が上昇したことで、既存の富裕層の保有資産がさらに増加したと考えられます。
さらに資産運用で得た利益を元手に、富裕層が超富裕層へ、準富裕層が富裕層へとステップアップするケースも増えています。資産を運用しながら成功を積み重ねることで、ひとつ上の階層へ移る人が増えていることは、同調査でも指摘されているのです。
また「相続による資産の集中」も、看過できないポイントと言えるでしょう。
少子高齢化が進む中で、相続人となる子どもや孫の数が減り、親や祖父母が残した資産を一人っ子や少数のきょうだいで承継するケースが増えています。標準的な家庭の出身であっても、相続や贈与を通じて富裕層の仲間入りをする人も少なくありません。
富裕層となるほどの資産を築くことが、ほとんどの場合簡単ではないのは確かです。しかし、富裕層の方々には、成功のチャンスを掴むための共通した考え方や行動があるのも事実です。
次では、そうした富裕層の共通点について詳しくご紹介いたします。