3. 年収600万円台の世帯は、手取りからいくら貯蓄に回している?

日本の平均年収が約400万円であることを考えると、年収600万円を超える世帯は、一般的な世帯よりも貯蓄しやすい環境にあると言えるでしょう。一定の余裕がある中で、効率的に資産形成を進めることができるかどうかが鍵となります。

金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査」から、年収600万円台の世帯が、収入から貯蓄にどの程度回せているかを見てみましょう。

※ここでは同調査より「年収500〜750万円未満の世帯」のデータを確認します。

収入から貯蓄に回す割合の平均

収入から貯蓄に回す割合の平均

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」の各調査結果をもとにLIMO編集部作成

3.1 年収600万円台(※)世帯が「収入から貯蓄に回す割合」の平均

  • 単身世帯の平均:20%
  • 二人以上世帯の平均:11%

年収600万円台世帯(※)が収入から貯蓄に回す割合の平均を比較すると、単身世帯は20%であるのに対し、二人以上世帯の貯蓄率は約半分の11%です。

この差の背景には、二人以上世帯特有の支出事情があることが推測されます。たとえば、住宅ローンや家賃、子どもの教育費、生活費などの負担が大きく、貯蓄に回せる余裕が限られるからです。

また、手取り収入から1円も貯蓄しなかった割合が単身世帯・二人以上世帯ともに2割を超えている点も、看過できないと言えるでしょう。

たとえ高収入であっても必ずしも「貯蓄しやすい環境」にいるとは限らない、ということなのでしょう。収入が多くても貯蓄に結びつかない場合は、より丁寧な家計管理をおこなう必要があるかもしれません。

※「年収500〜750万円未満の世帯」を利用しています。