4. 将来の年金生活に備える

本記事では公的年金の平均月額や「年金生活者支援給付金」の支給要件・支給額を見ていきました。

まずは、ねんきん定期便やねんきんネット、シミュレーターなどでご自身の年金受給額をざっくりと把握してみましょう。

生活費と照らし合わせてみて足りないと感じた方は、できるだけ早く対策を考え、実行に移していく必要があります。

既に年金を受け取っているシニア世代は、

  1. 働く期間を延ばし、収入を増やす
  2. 生活費を節約し、収入の範囲内に収める
  3. 余裕資金がある人は比較的安定した資産運用を取り入れてみる

このような対策があります。

現役世代の人は、

  1. 副業や転職などで収入を増やす
  2. 老後に向けての必要額を計算し、貯金をしていく
  3. 時間を味方に付け、積極・安定のバランスが取れた資産運用を取り入れる

このように世代によって、対策方法が変わります。

ただどちらの世代も③の安定運用は共通しています。低金利・物価高のいま、預貯金だけでは資産価値は目減りする一方です。リスクを伴いますが、資産運用も取り入れながら、効率良く「老後のお金」を確保していくと良いでしょう。

5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

「年金は複雑だなぁ…」と思う人は多いのではないでしょうか?でも、ちょっとしたポイントを押さえると、意外と分かりやすくなります。ここでは、年金についてよくある質問を分かりやすく解説していきます。

5.1 年金ってどんな仕組み?

まず、日本の公的年金は「2階建て」の仕組みになっています。土台にあたるのが「国民年金」、その上に「厚生年金」が重なる2階建て構造です。

国民年金

国民年金は、20歳から60歳未満の全員が対象で、自営業やフリーランスの方が主に加入しています。毎月決まった保険料を払う仕組みとなっています。

厚生年金

会社員や公務員が加入するのが「厚生年金」。厚生年金は収入に応じて保険料が変わるので、将来もらえる年金額もその人の収入次第になる部分が大きいです。

5.2 「繰下げ受給」って何?

年金は普通65歳からもらうものなのですが、「もう少し働けそうだし、今すぐもらわなくてもいい」と思う人には、「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、受け取りを遅らせることで将来の年金が増える仕組みです。

例えば、65歳で受け取る予定を75歳まで遅らせると、年金額が84%も増えます。

もし健康で他の収入源があるなら、繰下げ受給は検討する価値があるでしょう。

5.3 年金や老後資金を増やすには?

「どうやったらもっと年金や老後資金を増やせるのか?」というのは気になるところですよね。繰下げ受給のほかにもいくつか方法があります。

国民年金の付加保険料を払う

自営業やフリーランスの方には少しだけ追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額を少し増やすことができます。

厚生年金に加入する

もし可能なら、厚生年金に加入するのも一つの手です。会社員になったり、厚生年金が適用される働き方を選ぶと、将来もらえる年金が増えます。

資産運用

さらに、iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託で資産運用をするという選択肢もあります。ただし、運用にはリスクもあるので、始める前によく考えた方がいいですね。

これで、年金の基本が少しクリアになったでしょうか?一歩一歩理解を深めていくことで、将来への準備がしっかり進められるでしょう。

参考資料

宗形 佑香里