2. 住民税非課税世帯には高齢者が多い?
住民税非課税世帯は若年層が少なく、60歳代以降の高齢者が多くなっています。年代ごとの住民税非課税世帯数は以下のとおりです。
- 20歳代:52世帯(32.7%)
- 30歳代:35世帯(12.0%)
- 40歳代:52世帯(10.0%)
- 50歳代:106世帯(13.6%)
- 60歳代:212世帯(21.7%)
- 70歳代:432世帯(35.9%)
- 80歳代:389世帯(52.5%)
- 65歳以上:955世帯(38.1%)
- 75歳以上:611世帯(49.1%)
65歳以上の高齢者世帯は2504世帯のうちの955世帯で、全体の38.1%と約4割を占めています。半数とまではいかないものの、多くの世帯が住民税が課税されていないのです。
なぜ住民税非課税世帯に高齢者が多いのかというと、年金所得の税控除額が大きいからだと考えられます。年金所得に対しては「公的年金等控除」と呼ばれる所得控除があります。
これにより、年金所得が65歳未満は60万円以下、65歳以上は110万円以下であれば住民税がかからないのです。前述のとおり東京23区の独身世帯の場合、住民税は所得が45万円以下であれば非課税となります。
よって、年金収入が65歳未満は105万円以下、65歳以上は155万円以下の場合に非課税となります。
現役世代の場合、東京23区の住民税が非課税となるのは年収100万円以下が一般的です。給与所得控除で55万円が控除され、所得が45万円以下となるためです。
年金収入のみで暮らす高齢者世帯のほうが年収額の割に非課税となるケースが多いため、非課税世帯が増えていると考えられます。
このほか、退職による収入減少なども非課税世帯が増える要因の一つといえるでしょう。
次章では、年金世帯向けの給付金である年金生活者支援給付金について解説します。