4. 7月から急速に円高が進む2024年、ニトリにとっては追い風か?
2024年も前半は円安が進み、年初に140円台後半で取引が始まったドル円は、7月に162円目前まで上昇しました。しかしその後は下落が進み、9月半ばには140円台に至りそれまでの上昇分は戻されています。
また一時的に年始の水準を下回っており、今後更に下落が進むと年始に比べ円高で2024年を終える可能性もあります。
2年続けて年間18~19円の円安が進み、為替関連で毎期約380億円の損失を計上していたニトリにとって、円安が止まるだけでも業績にはプラスの効果があると予想されます。更に前期比で円高が進めば、その恩恵は非常に大きいでしょう。
2025年3月期第1四半期も、同社は為替関連で▲36億円の赤字を計上し、円安による影響は継続中です。しかしドル円が円高に進んだのは7月以降であり、同社の第2四半期からとなります。
これまで円安に苦しんだニトリですが、7月からの急速な円高により、これまでとは状況が変わりつつあると言えるでしょう。
円高の恩恵が見込まれる銘柄としてニトリの業績は今後どのように推移するのでしょうか。ドル円レートの行方とともに注目されます。
参考資料
- 株式会社ニトリホールディングス「2022年2月期 決算説明会」
- 株式会社ニトリホールディングス「2023年3月期 決算説明会」
- 株式会社ニトリホールディングス「2024年3月期 決算説明会」
- TradingView(USD/JPY)
石井 僚一