老後の生活設計を考えるとき、気になるのが年金がいくらもらえるかです。
年金は基本的に2ヵ月ごとの支給となり、次回の支給日は10月15日です。
この日、元会社員だった人は厚生年金を受給できますが、受給額は厚生年金の加入期間や加入中の年収などによって大きく異なります。
本記事では、厚生年金の見込額13万円は人より多いのか少ないのかについて解説します。
年金額を増やす方法も紹介しますので、老後の生活設計を考えるときの参考にしてください。
1. 老齢厚生年金の平均受給額は14万3973円
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給権者の平均受給額は14万3973円です。
各種データより、「厚生年金13万円」は人より多いのか少ないのかについて見ていきましょう。
1.1 厚生年金加入者は国民年金加入者より年金額が多い
自営業者など国民年金のみに加入していた人が受給できるのは、老齢基礎年金だけです。
一方、会社員など厚生年金に加入していた人は、老齢基礎年金に加え老齢厚生年金も受給できます。
年金制度のしくみ1/2
出所:LIMO編集部作成
前述の厚生労働省の調査によると、それぞれの受給権者の平均年金額は次の通りです。
- 厚生年金加入者:14万3973円
- 国民年金加入者(25年以上加入):5万6316円
厚生年金13万円の人は、国民年金加入者の2倍以上の年金額を受給することになります。
ただし、厚生年金加入者の平均額よりは少し少ない状況です。
1.2 厚生年金の金額は男女で大きく異なる
厚生年金加入者の平均年金額は、次の通り男性と女性で大きく異なります。年金額は65歳以上の受給権者の平均額です。
- 厚生年金加入の男性平均:16万7388円
- 厚生年金加入の女性平均:10万9165円
厚生年金13万円の男性は、平均より受給額がおよそ4万円少ない状況です。
女性ならば、平均より2万円以上高くなります。
2. 老齢厚生年金の年金額の分布状況
老齢厚生年金の年金額は、厚生年金の加入期間や加入中の年収(実際には年金額を計算するときに使用する平均標準報酬額)などに比例するため、人によって大きく異なります。
厚生労働省の調査より、厚生年金加入者の年金額の分布状況を確認しましょう。
【男性】
- 5万円未満:0.8%
- 5万円以上10万円未満:9.3%
- 10万円以上15万円未満:25.0%
- 15万円以上20万円未満:43.2%
- 20万円以上25万円未満:19.6%
- 25万円以上:2.1%
【女性】
- 5万円未満:4.5%
- 5万円以上10万円未満:43.0%
- 10万円以上15万円未満:43.2%
- 15万円以上20万円未満:8.1%
- 20万円以上25万円未満:1.1%
- 25万円以上:0.1%
男性は「15万円以上20万円未満」の人が全体の4割以上を占め、9割近くが「10万円以上25万円未満」という状況です。
一方、女性は「5万円以上10万円未満」と「10万円以上15万円未満」が各4割以上で、大半の受給権者が該当します。
ここまで、年金受給者の平均年金額より厚生年金13万円は人より多いのか少ないのかを解説してきましたが、次章では年金額を増やす方法を2つ紹介します。
3. 年金額を増やす方法1.定年後も仕事を続ける
老齢厚生年金の年金額は、厚生年金の加入期間と比例します。
定年後も仕事を続けて厚生年金に加入し続ければ年金額はアップします。厚生年金の加入は最長70歳までです。
次のモデルケースで年金額がいくら増えるかシミュレーションしてみましょう。
- 2003年4月以降に厚生年金に40年加入、65歳時の年金額は老齢基礎年金が80万円、老齢厚生年金が120万円
- 65歳定年後、5年間厚生年金に加入
- 厚生年金加入中の平均標準報酬額は変わらない
65歳で定年退職した場合の年金額は、老齢基礎年金と老齢厚生年金は合わせて200万円です。
定年後5年間働いた場合、老齢基礎年金額は変わりませんが、老齢厚生年金額は次の通りとなります。
- 老齢厚生年金額=120万円×45/40=135万円
老齢厚生年金額は135万円にアップし、受給額は215万円になります。
4. 年金額を増やす方法2.繰下げ受給を利用する
年金の支給開始時期を遅らせる「繰下げ受給」を利用すると、年金額は増えます。
支給開始時期を1か月繰下げると、年金額は0.7%アップします。
繰下げ受給による支給開始時期は、66歳から75歳までの間で1か月単位で選択可能です。
次のモデルケースで年金額がいくら増えるかシミュレーションしてみましょう。
- 65歳時の年金額は老齢基礎年金が80万円、老齢厚生年金が120万円
- 5年間(60か月)繰下げして70歳から受給する
繰下げ受給によって増加する年金額は次の通りです。
- 年金の増加額=200万円×0.7%×60か月=84万円
5年間の繰下げによって年金額は84万円(42%)増加して284万円になります。
5. まとめにかえて
2022年度末の年金額の平均は、厚生年金加入者が14万3973円、国民年金加入者(25年以上加入)が5万6316円です。
厚生年金加入者のうち、男性は平均16万7388円、女性は平均10万9165円と男女で大きな差があります。
将来受け取る年金額を増やすには、定年後も仕事を続けて厚生年金に加入し続けることがおすすめです。
給与収入があれば繰下げ受給してさらに年金額を増やすこともできます。
参考資料
西岡 秀泰