2024年8月29日、厚生労働省は最低賃金の答申が全ての都道府県で行われたと発表しました。
2023年度の最低賃金と比べて、いくら引き上がったのでしょうか。
今回は、2024年度の最低賃金について、都道府県別に確認します。
記事の後半では、自分の賃金と比べる方法や、最低賃金の引き上げによって中小企業や労働者にどのような影響を及ぼすのか解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
1. 2024年度の最低賃金を都道府県ごとに確認
最低賃金は、都道府県の物価状況などによって個々に決められます。
経済状況に応じて、全ての都道府県をAランク、Bランク、Cランクに振り分けています。
では、最低賃金を全国平均と都道府県ごとに分けて確認しましょう。
1.1 最低賃金の全国平均額
厚生労働省の発表によると、2024年度の最低賃金は全国平均で1055円になる予定です。
2023年度は1004円から51円プラスとなり、過去最大の引き上げ額となっています。
では、都道府県ごとの最低賃金がいくらになったか確認しましょう。
1.2 都道府県別の最低賃金
都道府県ごとの最低賃金額は、以下の通りです。
- 北海道:1010円
- 青森県:953円
- 岩手県:952円
- 宮城県:973円
- 秋田県:951円
- 山形県:955円
- 福島県:955円
- 茨城県:1005円
- 栃木県:1004円
- 群馬県:985円
- 埼玉県:1078円
- 千葉県:1076円
- 東京都:1163円
- 神奈川県:1162円
- 新潟県:985円
- 富山県:998円
- 石川県:984円
- 福井県:984円
- 山梨県:988円
- 長野県:998円
- 岐阜県:1001円
- 静岡県:1034円
- 愛知県:1077円
- 三重県:1023円
- 滋賀県:1017円
- 京都府:1058円
- 大阪府:1114円
- 兵庫県:1052円
- 奈良県:986円
- 和歌山県:980円
- 鳥取県:957円
- 島根県:962円
- 岡山県:982円
- 広島県:1020円
- 山口県:979円
- 徳島県:980円
- 香川県:970円
- 愛媛県:956円
- 高知県:952円
- 福岡県:992円
- 佐賀県:956円
- 長崎県:953円
- 熊本県:952円
- 大分県:954円
- 宮崎県:952円
- 鹿児島県:953円
- 沖縄県:952円
おおむね50円台の引き上げですが、徳島県が2023年度の896円から84円引き上げて、980円となっています。
過去最大の引き上げをした徳島県は、働き手が他県へ流出しないよう最低賃金を引き上げることを決めました。
最低賃金が適用されるタイミングは、都道府県ごとに異なります。発効予定日は、10月1日から11月1日までの間です。
では、自分の賃金が最低賃金を超えているか確認する方法を確認しましょう。
2. 最低賃金の確認方法
最低賃金は、労働者に対して必ず支払うべき賃金の水準です。
正規か非正規を問わず、すべての労働者に対して最低賃金が適用されます。自分の賃金が最低賃金を超えているか確認する方法を、時給と日給、月給別に確認しましょう。
2.1 時給の確認方法
時給で働いている場合は、勤務先が公表している時給が最低賃金を上回っているか確認してください。
もしくは、支給される給与を勤務時間で割って算出します。算出した金額が、最低賃金の水準を上回っているか確認してください。
2.2 日給の確認方法
日給で働いている場合は、1日の労働時間で割った金額が最低賃金を上回っているか確認しましょう。日給1万円で8時間労働の場合、以下のとおり計算します。
- 1万円÷8時間=1250円
算出金額が、都道府県ごとの最低賃金を上回っていれば問題ありません。次に、月給の場合にはどのように計算すれば良いか確認しましょう。
2.3 月給の確認方法
月給で働いている場合も、収入から1ヵ月の労働時間を割って算出します。月給25万円で1日8時間で22日働いた場合、計算式は以下のとおりです。
- 25万円÷(22日×8時間)=1420円
時給、日給、月給いずれの場合でも最低賃金が下回っているなら、労働基準監督署に相談してください。
3. 最低賃金を引き上げた場合の懸念事項
最低賃金は、手取りのアップに期待できる反面、懸念される問題点もあります。
懸念されるポイントは、以下の通りです。
- 人件費が高騰する
- 扶養内で働く人が勤務時間を減らす
それぞれのポイントを確認しましょう。
3.1 人件費が高騰する
まず、人件費の高騰が問題となっています。
最低賃金を上げると、企業は労働者に最低賃金を超える賃金を支払う必要があります。
そのため、これまでに比べて人件費が高くなり、経営上の経費がかさむ可能性が高まります。
特に、中小企業では人件費の高騰が経営状況の悪化にダイレクトにつながる可能性があります。
人件費の高騰によって、新たな採用者の確保や設備投資ができないリスクがあるので、注意しましょう。
3.2 扶養内で働く人が勤務時間を減らす
次に、配偶者の扶養内で働くアルバイトやパートタイマーが、勤務時間を減らす可能性があります。
2024年10月以降、要件を満たす人が年収106万円を超えると、社会保険への加入が必要です。
3.3 2024年10月からの社会保険の適用要件
- 従業員数が常時51人以上の事業所に勤務
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8万8000円以上
- 2か月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
上記の要件を満たしていない人でも、年収130万円を超えていれば、社会保険への加入が必要になります。
最低賃金が上がると、扶養内におさまるよう収入を調整する必要があるので、勤務時間を減らすリスクが高まります。
以上から、最低賃金のアップは労働者へのメリットになる面もありますが、扶養内で働く人には仕事へ影響を及ぼす可能性があります。
4. まとめにかえて
2024年度の最低賃金がいくら引き上げとなったか、都道府県ごとに解説しました。
他の都道府県に人材が流出しないように、最低賃金を大幅に引き上げた都道府県もあります。
一方で、最低賃金の引き上げが人件費の高騰や働き方への影響が生じる可能性もあります。
企業や労働者の今後の動向に、注目が集まります。
参考資料
川辺 拓也