4. 現金決済とキャッシュレス決済の今後

このままキャッシュレス化が進んでいけば、現金決済は過去のものとなってしまうのでしょうか。

政府は2025年の4割目標達成後は、将来的には8割までキャッシュレス決済比率を引き上げる目標を掲げています。IT社会の中でキャッシュレス化が進むのは必至です。

しかし現金決済の需要もしばらくは残っていくと思われます。その理由としては、現金信仰が根強いこと、ATMインフラが整っていることなどがあります。

現金信仰については、偽札が少ないこと(新紙幣発行でより強化)、災害時に強いこと、キャッシュレスに対するセキュリティ不安などがあげられるでしょう。

ATMについては、銀行ATMは2018年をピークに減少しており、今後も縮小していくと考えられますが、一方でコンビニ銀行のATMはシェアを拡大しています。

現金を手にする手段が依然容易であることも現金決済を利用する要因になっているでしょう。

そのほかにも、ITリテラシーに不安がある高齢者が取り残されないように、現金決済手段も残しておく必要があることも大きな理由となるでしょう。

日本はキャッシュレス決済業者が乱立しており、決済手段の選択に手間取ることも、高齢者にとってのキャッシュレス決済の難易度を高くしているといえます。

これらの理由はキャッシュレス化が早急に進まない理由であり、長い目で見れば、現金決済の利用は徐々に減少していくと思われます。