FPとしてお客様とお話をしていると「将来受け取る年金に対して不安がある」という声をよくお聞きします。円の価値が落ち、物価が上昇している中、受け取れる年金の額は不鮮明な点が多いです。
老後資金の対策として、今年になって新NISAを始めた方も多いと思われます。
しかし、どれほどの金額をいつまでに貯めるのかは、想定するのが難しいものです。老後に受け取る年金についてを知っておくことで、目標額は定めやすくなります。
実は年金から税金や社会保険料などが天引きされるため、額面と手取り額にギャップがあることは知っておきましょう。
さらに、10月などの年度途中で手取り額が変動することもあるのです。
年金制度について解説していきます。
1. 年金の「手取りと額面」天引きされる6つのお金とは
現役世代の方も、毎月の給与明細で「手取り」と「額面」のギャップを感じるものです。同じように、年金からも税や社会保険料が差し引かれるため、手取りと額面に差が生じます。
どのようなお金が年金から天引きされるのか、6つを整理して見ていきましょう。
1.1 天引き1:介護保険料
年金から天引きされるお金の一つが介護保険料です。
介護保険とは、日本に住む40歳以上の人が加入する公的制度で、所得に応じた保険料を支払っています。
- 第1号被保険者:65歳以上の人。市区町村(保険者)が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合、介護サービスを受けることができる
- 第2号被保険者:40歳~64歳までの人。介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合、介護サービスを受けることができる
このうち第1号被保険者である65歳以上の人は、原則として年金天引きで保険料を納めることになります。
ただし、年金の年間受給額が18万円に満たない場合、「普通徴収」といって納付書や口座振替によって納めることになります。