2. 65歳以上の方が賃貸住宅を借りる際に注意すべきポイント
一般的に60歳代になると徐々に入居審査で落ちてしまうケースが見られるようになり、65歳以上になるとその傾向が顕著になります。
したがって高齢者が賃貸物件を借りる上では、貸主が「安心して貸すことができる」と判断できるかどうかが非常に重要です。
そこでこの章では、高齢者が賃貸物件を借りる際に注意すべきポイントを紹介します。
2.1 連帯保証人や緊急連絡先として事前に身内の協力を得ておく
頼れる親族がいる場合にはなるべく近所に住んで緊急連絡先になってもらうと共に、連帯保証人にもなってもらうことをお奨めします。
このようにすることで、貸主や管理会社が高齢者と賃貸物件の契約を締結する際にネックとなる健康面や金銭面での不安を解消することができます。
2.2 家賃債務保証を利用する
連帯保証人になってもらえる親族がいない場合には、保証会社を利用する方法があります(ただし利用時には保証会社利用料を支払う必要があります)。
特に高齢者の場合には、家賃債務保証を利用すると良いでしょう。
家賃債務保証とは一般財団法人高齢者住宅財団が行なっている「居住支援サービス」のことで、このサービスにお金を払うことで保証会社が連帯保証人になってくれるので、身内に頼らなくても入居審査に通りやすくなります。
ただしこの保証制度を利用できる住宅は、財団と基本約定を締結している賃貸住宅に限られるので注意が必要です。
2.3 シニア・高齢者歓迎の物件を探す
一般の賃貸住宅の中にも高齢者の居住に前向きで、シニア世代でも比較的借りやすい物件があります。
こうした物件はバリアフリー化されていたり、医療機関へのアクセスが良かったりすることが期待されます。
入居審査に不安がある場合には、インターネットなどでこうした物件に絞って探してみると良いでしょう。
3. まとめにかえて
高齢者だからといって、必ずしも賃貸物件を借りられなくなるわけではありません。
しかし健康面や金銭面を理由に、貸主や管理会社から入居を断わられてしまいやすいのが現状です。
そのため入居審査時には、家賃の支払いや緊急時の連絡先といった貸主側の懸念を解消できるように準備しておくことが大切です。
参考資料
亀田 融